【悼む】ノックさん出馬で漫画トリオ解散も動じず　何事にも冷静沈着かつ泰然自若

 【上岡龍太郎さん死去 】 【スポニチ大阪文化社会部OB松枝忠信】半世紀以上、昔の話だが、記者が同じ兵庫県芦屋市に住んでいた縁もあって、遊び仲間の一人が横山ノックさんだった。いろんなバカ話をして笑っていたが、その横にいてもほとんどしゃべらない笑わない。それが上岡龍太郎という男の印象だ。 　場を盛り上げるようなタイプの人間では決してなかった。ただ、これだけははっきり言えるのは、ただただ勉強熱心だったこと。どんな言葉にも耳を傾け、興味津々だった。

　ノックさんが参院選に出馬するため、「漫画トリオ」を解散しなければいけなくなった時のこと。普通なら、メンバーの一人として「解散するのはもったいない」と翻意を促したり「今後の自分の仕事や生活はどうなるのか？」と心配するところなのだが、彼はただただ冷静だった。

　「本人がやりたいなら、周りがとやかく言ってもどうにもならん」という泰然自若なところがあった。何に対しても動じず、感情論で何かを語るようなタイプではなかった。それが今も脳裏に焼き付いて離れない。