【悼む】「記事がおかしい」ラジオ局のスタジオ飛び入り“釈明”も…懐に飛び込めば優しい人
2023年06月03日 04:50
芸能
舌鋒(ぜっぽう)鋭く、信念を貫くそのスタンスから気難しいとも言われる上岡さん。企画を成立させるまでは逆鱗(げきりん)に触れるのはよろしくない。慌ててラジオ局まで説明に出向いた。
スタジオに着いた途端、マネジャーの遠藤氏に「上岡さん、こんなん好きだから」と、いきなり生放送中のスタジオに放り込まれた。こんなん好き?なんやねん、それ?絶対怒られると覚悟して入った。
何しろ怒りの着火点が分からない人だ。生放送の緊張もあり、いきなり上岡さんを「川上さん」と呼んでしまった。「僕、川上のぼる(往年の腹話術師・物まね芸人)と違うで」とニッコリ笑うと、そこからずっと笑顔で私の説明を聞いてくれた。スタジオの外では毎週集まってくる常連リスナーたちが、私の慌てぶりをうれしそうに見ていた。放送後は、このリスナーたちと一緒に飲みに行ったりしていたという。
こんなん好きとは、こういうことか。飛び込んでくる者には優しかった上岡さん。懐の深さは、その後無事に掲載できた正月企画の引退ロングインタビューでも伝わった。
最後に直接お話しさせていただいたのは07年の「横山ノックを天国へ送る会」でだった。引退して7年もたっていたのに、その笑顔とトーク力は何も変わっていなかった。もったいない。心からそう思った。今ごろは、あの世で大好きだったノックさんと再会しているのでしょうね。合掌。