町田啓太 妥協なきストイック生活 無心で自分の体だけに向き合い、体も頭も「リフレッシュ」
2023年06月04日 08:30
芸能
「トレーニング中は常に筋肉の動きに意識を張り巡らせるので、それ以外は何も考えないんです。普段の仕事の現場では常に気を張り詰めているので、頭をリフレッシュさせることができるんです」
剣道、野球、ダンスなど、元々体を動かすことは大好きだった。ただ、俳優としての活動が増える中、自然と運動する機会が減っていった。「どんどん痩せていって、体調も崩しやすくなっていました。今まで使っていた筋肉を一度使わなくなると、動きにくくなるんです。なので、体を動かさなければという意識はあったんです」
そんな中で再び運動をするきっかけになったのが、ドラマの役作りだった。昨年夏に放送されたフジテレビ主演ドラマ「テッパチ!」は陸上自衛隊が舞台。作中には肉体を見せるシーンも多く、本格的にトレーニングに励むようになった。
「何よりも体調が良くなりましたね」と効果はすぐに実感することができた。「人間って不思議なもので、胸を張って姿勢を正して歩くだけで自信もついて、心も前向きになるんです」。効果は体だけでなくメンタル面にも表れた。俳優業を始めたことで一時運動から遠ざかってしまったが、再び鍛えるようになったきっかけも俳優業だ。
役者としてのトレーニングも、日々欠かさない。「体と一緒で、頭も普段から使っていないと衰えてしまう。だから常に頭を使う訓練も欠かしません」と語る。
空いている時間があれば、ドラマや映画などさまざまな作品に触れる。移動中などの隙間時間にも思案を巡らせ、何か気がついたことがあればメモをする習慣をつけた。「どれだけ準備したかによって本番でアウトプットできるものが変わってくる。なるべく考えるのをやめないようにしています」。
常に頭を使い続けることは、常に緊張感を持ち続けることとも言える。だからこそトレーニングをしている時だけは、自分の体だけに向き合うことができるかけがえのない時間だ。「体を動かしていれば、その間だけはそれだけに集中できる。その他のことを考えることがないので集中力を養うのにも良い影響を感じています」。
役者として10年以上のキャリアだが、いまだに自分の演技に満足することはない。「自分の演技を見るたびに画面を割りたくなってしまいます。“もう少し工夫できたんじゃないか”とか。毎回、自分に怒っています」。
だからこそ演じることは何よりも楽しい。「これまでスポーツもいろいろなことをやってきましたが、ある程度できるようになったら“このくらいで良いかな”と満足するタイプでした。でも俳優業はそれがないから楽しい。いまだにゴールが見えません」。
成長を実感しつつも、決して満足しない。「いつか“画面を割りたい”と思わなくなる日が来たら、きっとその時は俳優を辞めて、また新しいことに挑戦する時かもしれません。でもそんな日は、たぶん来ないでしょう」と笑う。自ら選んだ終わりなき旅。そのために今日もまた、体と頭を鍛え続ける。
≪謎のカメラマン役「最後まで見て」≫現在、テレビ朝日の連続ドラマ「unknown」(火曜後9・00)に出演中。週刊誌記者の吸血鬼(高畑充希)と、人間の警察官(田中圭)の恋を描く作品で、同時に連続殺人事件の真相に迫るミステリー作でもある。町田が演じるのは高畑の相棒となる週刊誌のカメラマン役。「カメラが大好きな(共演の)井浦新さんからアドバイスをいただきながら演じています」と役作りについて語った。ひょうひょうとしており、捉えどころのない性格。物語が佳境に入る中、町田を“真犯人”と疑う視聴者も少なくない。「僕からは何も言えないんです…。でも最後まで見ていただけたら、きっとこれまでの違和感にも納得してもらえるんじゃないか」と含みを持たせた。
◇町田 啓太(まちだ・けいた)1990年(平2)7月4日生まれ、群馬県出身の32歳。10年に「劇団EXILEオーディション」を受け、約2000人の中から合格。同12月の舞台「ろくでなしBLUES」で俳優デビュー。映画「HiGH&LOW」シリーズをはじめ、NHK連続テレビ小説「花子とアン」(14年)や大河ドラマ「西郷どん」(18年)などに出演。1メートル83。血液型O。