古舘伊知郎 9月の「トーキングブルース」で「推し活」報告

2023年06月23日 05:00

芸能

古舘伊知郎 9月の「トーキングブルース」で「推し活」報告
カメラに向かって笑顔を見せる古舘伊知郎 Photo By スポニチ
 【牧 元一の孤人焦点】フリーアナウンサーの古舘伊知郎(68)が9月1日から3日まで東京・紀伊国屋サザンシアターTAKASHIMAYAで、恒例のトークライブ「トーキングブルース」を開催する。
 今回のテーマは「現代の信仰」。古舘は「以前、『お経』をやったことがあって、『今回は仏教をやりたい』と言ったら、スタッフに『いいかげんにしろ!』と止められた。『トーキングブルースを大まじめにやって人間の苦しみや悲しみを話すのはいいけれど、エンタメとして面白おかしくやらなくちゃいけない』。はっきりとそう言われて『その通り!誰がそんなことを言ったんだ!?』となった。オレの座右の銘は『前言撤回』だ」と笑う。

 現代の信仰に関して語る上でエンタメの要素として取り入れたのが「推し活」だった。

 「数カ月、ある女の子に対して推し活をやってみた。その人に興味はなかったが、無理やり興味を持って、好きになるように自己催眠をかけた。結構、お金を使った。そうすることで、現代の信仰がほの見えた。具体的な推し活日記はトーキングブルースで発表するが、人はなぜ宗教に走るのかということと、人はなぜ誰かを推すのかということの答えは同じだと思った。信じることの喜び、推すことの喜びで人は思考停止する」

 普段の生活の中にも信仰にまつわる事象がある。例えば、古舘自身がいつも手首につけている数珠もそうだ。

 「なぜ数珠をつけるのか?数珠をつけない人には理解できない。例えば、スポーツ選手が磁気入りの輪っかをつけたりすることには体の疲れが取れるからという根拠があるのだろうが、オレの場合は根拠が何もない。不安だから、魔よけみたいに何重にもつけたりする。これは小さな『腕元の宗教』。エスカレートすると悪い新興宗教にはまってしまう。人間は弱い。宗教は『謎のマトリョーシカ』に入ってしまう人間の不安を救済してくれる装置でもあると思う。推し、現代の信仰、宗教を一線上につなげて2時間ちょっと語りまくりたい」

 昨年12月に開催したトーキングブルースは一夜限りだったが、今回は3日連続の開催となる。

 「昨年は翌日の朝に起きると、前日のしゃべりが脳内で反響していた。これは疲れないとだめだと思って、腹筋、腕立て伏せ、スクワットをやったけれど、それでも残響があったので、家を出て速足で1時間半くらい歩いた。まるで『言葉の浮遊霊』のようだった。オレのトーキングブルースは1日では収まりがつかない。社長に『今回は1日だけだったらやらない!』と告げたら、3日間予定されていた」

 今月2日には新たなトークライブ「古舘と客人と」をスタートさせた。「聞く力」を駆使してゲストの魅力を引きだそうという試みで、初回は爆笑問題・太田光は招いた。

 「あれをやることで、1人しゃべりが自分の中で色濃く見えてきた。トーキングブルースは1人で孤独にやっていくものだと再認識させてもらった」

 9月のトーキングブルースは昨年以上に熱量の高いライブになりそうだ。

 ◆牧 元一(まき・もとかず) 編集局総合コンテンツ部専門委員。テレビやラジオ、映画、音楽などを担当。
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