笑福亭円笑 初の試みに「楽しみです」2時間半にわたってぶっ通しで話す“通し口演”を8月に開催

2023年07月19日 12:24

芸能

笑福亭円笑 初の試みに「楽しみです」2時間半にわたってぶっ通しで話す“通し口演”を8月に開催
「怪談牡丹灯籠」全4編の“通し公演”を開催する笑福亭円笑 (提供・上方落語協会) Photo By 提供写真
 上方落語協会所属では最年長の落語家・笑福亭円笑(83)が8月4日に大阪天満天神繁昌亭で「怪談牡丹灯籠」全4編の“通し口演”を開催する。1人で2時間半にわたってぶっ通しで話す一気の“口演”に「初めての試み。死ぬまでに一度やりたかった。楽しみです」と語った。
 上方落語界では唯一、江戸弁で江戸落語を演じる噺家。41歳で上方へ来てから「関西の方がちょっと長くなりましたかね」と83歳の大ベテランは笑う。正統派江戸落語を語る噺家として、東西で誰も演じたことがないと言われる「怪談牡丹灯籠の全4編を一夜に1人で語る」にチャレンジする。

 「怪談牡丹灯籠」は江戸落語の名人と言われる三遊亭圓朝さんが創作。昭和の頃は三遊亭圓生さんら歴代の大真打が得意とした。だが、上方落語には演題として持ち込まれず、近年では江戸落語界でも演者が減っている。歌舞伎や演劇の舞台では上演されているが、サゲのない物語の展開が余り笑いを呼べず、全4編をフルに演じると3時間近くに及ぶ長編となることが落語として敬遠される原因とされてきた。

 1940年3月26日に東京・品川で生まれた円笑は小学生の頃から落語に興味を持ち、アマチュア落語家として活躍。同学年には2年前に亡くなった柳家小三治さんがいる。桂福団治(82)も同じ40年生まれだが、1学年下になる。高校卒業後に六代目三遊亭圓生に弟子入りしようとしたが、両親から反対されて家出。サラリーマンや板前などをやりながらアマ落語家として活動を続けた。

 それでもプロの落語家になることを諦められず、大阪に移って81年6月に41歳で六代目笑福亭松鶴さんに入門。入門時の高座名は師匠の松鶴さんが名付けた猿笑。08年9月に四代目笑福亭円笑に改名した。

 上方に移ってからも「若い頃から染みついてるから」と大阪弁でなく江戸ことばを話し続けている。「大阪弁を喋ったら違和感があるでしょ」と円笑。誰もやらなかったロングラン“口演”に成功したら「名古屋、東京でもやってみたい」。さらに今後の目標は「あと17年、100歳で高座に上がりたい。元気で現役、100歳で。その時には“円笑”から“艶笑”にしましょうか」。まだまだ色気たっぷりだ。
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