市川猿之助被告を起訴 スーパー歌舞伎復活へ松竹期待の声も世間の目は厳しく

2023年07月29日 05:10

芸能

市川猿之助被告を起訴 スーパー歌舞伎復活へ松竹期待の声も世間の目は厳しく
自殺ほう助罪で起訴された市川猿之助被告 Photo By スポニチ
 歌舞伎俳優の市川猿之助(本名喜熨斗孝彦)容疑者(47)が28日、自殺ほう助の罪で東京地検に起訴された。父市川段四郎さんと、母喜熨斗延子さんの自殺を手助けしたとして、自殺ほう助の疑いで警視庁に2度逮捕されていた。実刑でなく執行猶予となる可能性が高まり、今後の活動に向けた道筋はかろうじて残されているとの見方もあるが、簡単な道のりではなさそうだ。
 捜査関係者は、3人が一家心中しようとしたとみている。猿之助被告には自殺の意思があったとみられ、有罪になっても執行猶予が付く可能性が高い。

 起訴状によると、両親の自殺を手助けするため、5月17日、東京都目黒区の自宅で向精神薬を両親に服用させ17~18日に死亡させたとしている。弁護人は28日、東京地裁に保釈請求した。

 自殺ほう助よりも重い嘱託殺人などの罪に問われる可能性もあった中、興行面だけで考えれば松竹にとっては一番ダメージの少ない形での起訴。松竹はこの日、「引き続き公判の推移を見守り、司法による最終的な判断がなされるまでは会社としての見解について申し上げることは差し控えさせていただきたいと存じます」とするコメントを発表した。

 歌舞伎界でも屈指の集客力を誇った猿之助被告。役者として演じるだけでなく脚本や演出も手がけてきた。公演関係者は「唯一無二のその才能が失われれば歌舞伎界にとっては大きな痛手。俳優としては無理でも、裏方として戻ってきてほしいと願う松竹関係者は多い」と明かしている。

 特に松竹の“ドル箱”だったのがスーパー歌舞伎。市川猿翁(83)がつくり上げ、猿之助被告が発展させてきたもので、壮大なスペクタクルと派手な演出で歌舞伎ファン以外も魅了した。来年2、3月には人気漫画「鬼滅の刃」をスーパー歌舞伎として上演予定だったが、関係者によるとこちらは中止。今回の事件で今後のスーパー歌舞伎の存続が危ぶまれていたが、関係者は「裏方として復帰した場合はその冠も残せるのではないか」といちるの望みを抱いている。

 ただ当の本人は周囲に「もう表には出たくない」と話しているという。自殺を図ったとあり、不安定な精神状況も指摘されている。

 加えて事件の発端になったとみられるパワハラやセクハラ疑惑を巡っては、事務所側が「そのような事実は出てきていない」としているが、本人の説明はなされていない。別の松竹関係者は「仮に裏方として戻るにしても何らかの説明の責任はある」と話している。両親の顔にビニール袋をかぶせるなどした謎も残っており、いまだ世間の目は厳しい。

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