中村獅童 転機となった作品「他に仕事なかった…最後かもしれないという気持ちでオーディションに」

2023年08月05日 13:51

芸能

中村獅童 転機となった作品「他に仕事なかった…最後かもしれないという気持ちでオーディションに」
中村獅童 Photo By スポニチ
 歌舞伎俳優の中村獅童(50)が4日放送の日本テレビ「アナザースカイ」(金曜後11・00)にゲスト出演。自身の転機となった作品について思いを語った。
 自身の“アナザースカイ”として歌舞伎発祥地でもある京都へ。時代劇の名優・萬屋錦之介は、父親の初代中村獅童の実弟。ただ、父は子役時代に廃業。獅童は「親戚やいとこの舞台を見る機会が多かったから、自然と自分も“舞台に立ってみたい”っていう事を祖母にお願いして、それで稽古を始めた」とし、後ろ盾のいないまま、8歳で中村獅童を襲名し、歌舞伎の世界に入った。

 19歳の時には「主役は無理ですよ」「難しいですよ」と言われたこともあったといい、「特殊といっちゃ、特殊かもしれないですね。血筋はあるけど、状況的にどこかに弟子入りできる立場でもないし、父親がいない、っていう状況だけで、“しょうがないしょうがない”って当たり前のレールの上を走ってきたら、いまだに主役とかはやれてないでしょうね」と当時の心境を明かした。

 「“主役ができない”って言われた時に“どうしたらいいんですか?”って聞いたら、“自分で自分の名前を売ってください”みたいなことを言われて」。そこから映像の世界へ活路を見出すことに。

 この日の番組では、24歳の時に初めてレギュラーに抜てきされた時代劇「大岡越前」で通った東映京都撮影所へ。「まあ、落ち込んだというか、ある種の挫折。本当に“向いてないのかな”って思うぐらい。長年やってるドラマだから1つのファミリーになっているところに突然現れた、よく分からない役だったから。その輪に入っていくのも、人見知りを克服しなきゃとかさ」と回顧。罵倒され続けたといい、「照明消されたりとかもありました。(みんなは)昼休入っちゃって“1人で稽古しとけ”って言って、全部照明消されちゃって。もうお前できないから1番最後!って番手を入れ替えられたりとか。そんなのしょっちゅうだったし」と苦笑した。

 そんな日々を過ごす中、30歳になって大役を得ることに。「本格的に出させていただくようになったのは30歳すぎてからですね。オーディションでいただいた役、『ピンポン』のドラゴンっていう役だったんですけど」と獅童。2002年に公開された映画「ピンポン」で、これにはMCの今田耕司も「あれは強烈だったもんなぁ」としみじみ。

 獅童は「他に仕事なかったんで、あれはスキンヘッドで眉毛がない役だったんですけど、オーディションの時から全部剃って。眉毛も剃って。あれ、高校生の役だったんですけど、その時、すでに30歳だったので、これ逃したらなかなか現代劇でも中途半端な年頃で、役もないな、って。最後かもしれないという気持ちでオーディションに行ってました」と振り返り、「それからじゃないですかね、転機となる作品ですね」と語った。
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