吉永小百合 “配信”の時代に映画界へ恩返し「もうひと踏ん張りしなきゃ」
2023年08月16日 05:30
芸能
離婚危機、会社では人事部長として神経をすり減らす日々を送るなど、公私に悩みを抱える息子を大泉洋(50)が演じた。「プロデューサーの事務所で初めてお会いしました。ケーキを買って行き、“何がいいですか?”と尋ねると、大泉さんは“ショートケーキ”とおっしゃった。少年ぽく、人懐っこくてどんどん距離が近くなっていきました」
123本目の出演作にして初めて孫がいる設定。永野芽郁(23)が演じたが、「気立てが良くて、可愛くってとてもやりやすかった。“何歳からやってるの?”と聞いたら“8歳から”と。私より先輩」と、おばあちゃんは笑った。ちなみに吉永がラジオドラマ「赤胴鈴之助」でデビューしたのは12歳だ。
90歳を過ぎて90本目のメガホン作に取り組んだ山田監督には頭が下がる。「コロナの時期もあったし、監督より年上のスタッフの方がご病気になられたりして、つらかったと思うんですよ。今回は若い人が多かったのですが、みんな一生懸命で、うれしかった」
一番若い助監督は九州出身の20代の女性。「お母さんが心配して、撮影所にみえたんです。凄い可愛い子で、“大丈夫ですよ、お母さん。一生懸命やってますからって”と私言ったんです」
ヤング層もたくましく育っているが、映画も配信される時代だ。「映画館で見てもらうことはますます大変になるのかな?と不安にもなりますけど、それでもみんなで力を合わせて努力することが大事」と強調。「AIに圧倒される世の中ですが、人間の心のぬくもりを描き、映画館でみんなで笑いあったり、一緒に感動したりできるような雰囲気をつくりたい。そのためにもうひと踏ん張りしなきゃ。それが60年以上、この世界でやらせてもらっている自分の、映画の世界への恩返しです」と力強い言葉で締めくくった。