「らんまん」野宮も驚いた田邊教授“研究者の顔”ネット安堵＆応援「憑き物が落ちた」西洋に“宣戦布告”

　俳優の神木隆之介（30）が主演を務めるNHK連続テレビ小説「らんまん」（月～土曜前8・00、土曜は1週間振り返り）は17日、第99話が放送された。話題のシーンを振り返る。 　＜※以下、ネタバレ有＞

　朝ドラ通算108作目。「日本植物学の父」と称される牧野富太郎をモデルに、江戸末期から昭和の激動の時代を生き抜き、明るく草花と向き合い続けた主人公・槙野万太郎の人生を描く。脚本はNHK「流行感冒」「群青領域」「旅屋おかえり」なども手掛けた注目の劇作家・長田育恵氏。神木の朝ドラ出演は2007年度前期「どんど晴れ」以来16年ぶり2作目。初主演となる。男性主人公は20年度前期「エール」（窪田正孝）以来3年ぶり。

　第99話は、失意の底にいた田邊教授（要潤）は妻・聡子（中田青渚）に背中を押され、植物の研究に本腰を入れるようになる。夏、田邊は学生たちと植物採集旅行へ出掛け、新種かもしれない花と出会う。生き生きと研究する田邊の姿に、大窪（今野浩喜）波多野（前原滉）野宮（亀田佳明）も熱を感じる。同じ頃、虎鉄（寺田心）から万太郎（神木隆之介）の元に植物標本が届く。それは何と、田邊が巡り合ったのと同じ花だった…という展開。

　田邊たちの採集旅行、虎鉄の修学旅行とも行き先は伊予の石鎚山。その黄色い花は、原生林に咲き誇っていた。

　田邊は英語で「この植物は新種かもしれない。植物学教室の総力を挙げて、この植物を研究する」。野宮も「初めて見ました。教授のあんな顔」と驚くほどだった。

　9月、動物学教授・美作（山本浩司）の兄が貴族院議員に勅撰され、帝国大学の次期総長と取り沙汰された。田邊は学内の争いに負けたものの、万年筆を手に取り「西洋の植物学者諸氏に告ぐ」と書き始めた。「それは、日本の植物学史上に残る宣言でした」（語り・宮崎あおい）――。

　SNS上には「憑（つ）き物が落ちたような田邊教授」「学ぶ楽しさに立ち返ったね。主人公に敵対していた田邊教授をいつの間にか応援している。このドラマ、本当に隙がない」「田邊教授がニッコニコで植物に向き合っているのを見て泣いちゃった。バイオリンは権威の象徴で、バイオリンをしまう＝権威との決別、しまい込んで埃まみれになっていた胴乱を取り出す＝素の田邊教授に戻るってことなんだろうな」「『さあ、植物学を始めよう』。講義開始の合図でもあり、田邊が初心に帰って再び『始める』という意味でもあるのが伝わる」「植物学教室の総力戦と万太郎の単騎。このタイミングで同じ新種に巡り合うとはね」などの声が上がった。

　新種発表は田邊教授か、万太郎か。