戸田奈津子さん 字幕翻訳家を志した理由明かす 20年間の下積み経てブレーク きっかけとなった作品

2023年08月17日 15:08

芸能

戸田奈津子さん 字幕翻訳家を志した理由明かす 20年間の下積み経てブレーク きっかけとなった作品
字幕翻訳家の戸田奈津子さん Photo By スポニチ
 字幕翻訳家の戸田奈津子さん(87)が17日放送のテレビ朝日「徹子の部屋」(月~金曜後1・00)にゲスト出演。20年もの下積み時代について語った。
 戸田さんは80代となった今でも現役で、40年以上、1500本以上を手掛けてきた。公開中の映画「インディ・ジョーンズと運命のダイヤル」や「ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE」でも字幕を担当した。

 戦後、疎開先の愛媛から東京に戻ってきた時に「初めて洋画を見て、ハマっちゃいました。とにかく映画が好きになっちゃいまして」と目を輝かせ、「映画をみたから英語にも興味を持ったの。だって、あの言葉を知りたいと思うじゃないですか。映画が好きで、英語が好きだから、字幕やりたいと、単純な発想です」と字幕翻訳家を志した理由を明かした。

 大学卒業後、保険会社に務めたという戸田さん。「字幕の世界が今と違って、情報を調べられない。全然わからなくて、私も母一人の家庭ですから、遊んじゃいられない。会社に1年半、嫌々務めて、やめちゃいました。もう組織は全然ダメでした。いいお勤め先だったんですよ」と苦笑。そこからは「翻訳、何でもやります!」のスタンスでさまざまなアルバイトで食つなぐ日々だったという。「映画の字幕は見えないぐらい遠くにあって、入れない。貧乏はしませんでしたけど、20年間、ウェイティングして。だから、最初にやった映画は40歳すぎでした。20年できなかった、でも諦めずに志を(持ち続けた)」と語った。

 当時の字幕翻訳の第一人者・清水俊二氏に手紙を書いたこともあったといい、「私、あまり人にご迷惑かけるのもしないんですけど、その時だけはやむを得ず、清水(俊二)先生にお手紙を書いて、やっぱり“無理だからやめなさい!”って言われました。でも、やめられなくて10年、20年たっちゃったんです」と笑った。

 そんな中、「地獄の黙示録」(1979年)で認められたのが43歳の時だった。「それが本当のブレークで、それまで少しはやらせてもらったけど、それは数に入らなくて。1年に1本ぐらいのものですから。黙示録でブレークして、それから週に1本のペースになっちゃった」と話した。
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