藤井王位　横歩取りから高飛車でかつ向かい飛車　第5局1日目昼休に　居飛車党の藤井には珍しい布陣

　藤井聡太王位（21）＝王将、名人、竜王、叡王、棋王、棋聖含む7冠＝に佐々木大地七段（28）が挑む第64期王位戦7番勝負第5局は22日午前9時、徳島市「渭水苑」で始まり、戦型は先手藤井の横歩取りへ進んだ。38手進んだ午前12時半からの昼食休憩時点では、お互いの飛車が向かい飛車の位置にあり、特に藤井は5段目の高飛車と、保守本流の居飛車党にとっては珍しい布陣を敷いた。 　ここまでの対戦成績は藤井の3勝1敗。藤井が勝てば4連覇を果たす。

　初手で飛先の歩を突いた藤井に対し、佐々木は角道を開けた。居飛車で主流の角換わりや相掛かりとは違う戦型選択を佐々木が示すと、藤井はお互い飛先の歩を交換し合った後の15手目で横歩を取った。

　藤井が3勝1敗で制した棋聖戦5番勝負を含む佐々木との「夏の12番勝負」では王位戦第1局に続く横歩取り。序盤から大駒の交換が起きる激しい戦型らしく22手目、佐々木が角交換へ踏み切り、直後にあわや飛車交換も…の応酬があった後、飛車は藤井が2筋から8筋へ、佐々木は8筋から2筋へ大転回した。

　午前のおやつは藤井が季節の和菓子と抹茶、佐々木が季節のフルーツとホットコーヒー。昼食は共に松花堂弁当。午後1時半に対局再開される。