京アニ放火殺人初公判 弁護側「対抗手段で反撃」主張に菊地弁護士が見解「弁護側の狙うところかも」

2023年09月05日 15:54

芸能

京アニ放火殺人初公判 弁護側「対抗手段で反撃」主張に菊地弁護士が見解「弁護側の狙うところかも」
菊地幸夫弁護士 Photo By スポニチ
 弁護士の菊地幸夫氏が5日、TBS系「ゴゴスマ~GO GO!smile~」(月~金曜後1・55)に生出演し、京都地裁でこの日、開かれた36人が死亡、32人が重軽傷を負った2019年の京都アニメーション放火殺人事件の裁判員裁判初公判について解説した。
 殺人罪などに問われた青葉真司被告はこの日、出廷し、起訴事実を認めた。一方で弁護側は、起訴事実について争わない姿勢を見せつつ、心神喪失だったとして無罪を主張。無罪でなくても、著しい心神耗弱で減刑されるべきと訴えた。

 菊地氏は「事実に関しては多くの報道がなされていて、本人も現場で身柄を拘束されていて、あまり争う余地はないんだろうと思う」とし、争点は責任能力の有無になると解説した。

 弁護側は初公判で、「この事件は被告の人生をもてあそぶ人物への対抗手段で反撃だった」と主張している。これについて菊地氏は「弁護側にとっては、分からないですけど、動機の内容が理路整然としていたら、責任能力なしということと矛盾してしまう。おかしな動機であっていいんです、弁護側としては。“何?復しゅうって、おかしいんじゃない?”というのは、まさに弁護側の狙うところなのかもしれない」と、自身の見立てを示した。

 被告は12年には茨城県でコンビニ強盗事件を起こして逮捕され、服役中に精神疾患と診断された。菊地氏は「弁護側としては非常に大きく注目するポイントだろう。この時から少し、変調を来していた」と指摘としつつも、「(診断は)簡易なものだと思う。どの程度、詳しくやって、根拠を置いていいのか、ダイレクトに答えが出るものじゃない」と疑問視した。

 青葉被告は幼少期に両親が離婚し、自身は定時制高校を卒業にバイトを転々とし、父は自殺でこの世を去っている。不遇な生い立ちについて、菊地氏は「両親の離婚があったり、お父様が自分で死を選ばれたり、同情すべき事情があると思います。これが少年・青葉被告の事件だれば、大きくではないかも知れませんけど、生い立ちの不遇さは影響あるかもしれません」と解説。一方で、「犯行時、40を超えた青葉被告の事件なので、生い立ちの境遇が恵まれなかったという点も、自分なりに整理して、世の中でどう生きていくべきか、理解すべきというような判断になっていく。大きな影響には、今回の裁判には少なくともならないと思います」と推測した。
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