猿翁さん元妻が追悼 浜木綿子「私は今度こそが、本当のお別れでございます」

2023年09月17日 04:55

芸能

猿翁さん元妻が追悼 浜木綿子「私は今度こそが、本当のお別れでございます」
浜木綿子 Photo By スポニチ
 【市川猿翁さん死去 】 1968年に猿翁さんと離婚した浜木綿子(87)は「私は今度こそが、本当のお別れでございます」とコメントした。
 親族からの知らせで悲報に触れたようで「驚きました」と心の内を明かした。離婚後は交わることのない人生を歩んだが「中車、團子、澤瀉屋一門の活躍をお感じになり安心して、逝かれたのだと思います。本当によく頑張ってくださいました。これからは泉下より中車、團子、澤瀉屋一門をずっとお見守りください」と願った。

 愛憎まみれる関係だった。4歳年下の猿翁さんとは、宝塚歌劇団退団直後の1961年にミュージカルで共演し出会った。三代目團子を名乗っていた猿翁さんはまだ慶大4年生。共演の翌月に歌舞伎公演に招待され、その美しさに魅了された。すぐに交際がスタートし、4年後の65年2月に結婚。同12月には香川が誕生し、順風満帆かに思われた。

 だが、幸せだったのはこの時まで。猿翁さんは日本舞踊家の初代藤間紫さんとのダブル不倫に走り、香川が1歳の時に家を出た。一切会うことのないまま、68年に離婚。浜は当時を「悔しくて、悔しすぎると涙が出ない。大声上げて叫びたいと何度も思った」と振り返っている。その後は再婚せず、愛情の全てを香川に注いだ。

 変化があったのは11年。香川が歌舞伎界入りを決め、猿翁さんと同居を始めた。12年5月、浜は香川に稽古場に呼ばれた。何も知らずに行くと猿翁さんがいた。「照之を立派に育ててくれてありがとう」と感謝され、誕生石のオパールのネックレスを贈られた。別居から46年後の再会だった。翌月に新橋演舞場で行われた二代目猿翁、九代目中車の襲名披露公演の初日、浜はすがすがしい気持ちで客席から見守った。

 長く憎んだ元夫。完全な雪解けとは程遠かったが、「会えたことも奇跡」と再会を喜んでいた。この日のコメントでは、歌舞伎界に新たな風を吹かせた猿翁さんを「偉大なる歌舞伎役者」と表現し「安らかに、お休みくださいませ」と言葉を贈った。

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