松本穂香 「ミワさんなりすます」主演 「自分が自分じゃない感覚の記憶を頼りに」
2023年09月20日 08:30
芸能
「あまり見たことのない雰囲気の漫画だなと思いました。新しいジャンルというか、あのシュールさは漫画だからこそ出るもので、そこが面白いと感じました」
──その後、ドラマの脚本を読んでどう思いましたか?
「後半部分はオリジナルになっていきます。いろんなキャラクターが予想もしない動きをして、八海さまがこんなことに…というような、めまぐるしい展開があります。周りに翻弄されていくミワが面白い感じになっています」
──久保田ミワという人物をどのように捉えていますか?
「ちょっとふわふわしています。いろんなことにあまり抵抗せずに流されるままに生きていて、例えばバイト先で仕事を押しつけられても嫌な顔をせずに受け入れます。一方で映画が大好きで、人生イコール映画というくらいにのめり込んでいて、ふだんは熱量を感じさせない人だけれど映画の話しになると凄く感情が動きます。その差が面白いです。本当にピュアな人なんだと思います」
──原作の漫画を意識した部分はありますか?
「ビジュアル面は漫画を意識しました。表情もそうですが、髪型もミワふうにカットしてもらいました。現場のモニターで横からの映像を見ると、髪がきれいに切りそろえられていて、原作通りだなと思います」
──漫画の独特の雰囲気を生かせている部分はありますか?
「ドラマの中にミワの心の声が多いです。そこはモノローグで録りました。ミワは心の中のことを表情に出さないので、その対比がちょっとシュールな感じになっているといいなと思います」
──特に意識して演じているのはどんなところですか?
「普段は静かで受け身ですが、映画の話になると、もの凄く口数が多くなって早口になります。そこは台本に『早口で』と書かれていて、魅力的だなと思って演じています」
──八海の魅力はどんなところだと感じていますか?
「原作を読んでも、演じている堤さんを目の前にしても、やはり、ほかの人からは感じない圧倒的なオーラがあります。八海さまが何をしても納得してしまいます。ミワは心の中で『神』と呼んでいますが、そう思わせてしまうくらいの存在感がいちばんの魅力だと思います」
──堤さんの印象はいかがですか?
「堤さんは昔からドラマなどで拝見していたので、ミワから見た八海さまが雲の上の存在であるのと同じように大スターだと思っていました。でも、実際にお会いして話してみると、同じ関西出身ということで地元感があって親しみやすかったです。ご家族のことも話してくださったりして、現場でいろいろ相談しながらできる感じです」
──格好いいと思うところはどこですか?
「声が素敵です。一緒にお芝居をしていて、響いてくるような声が素敵だなと思いながらやっています」
──八海とのシーンで一押しは何ですか?
「女優さんとの会話の中で、ファンに対する八海さまのセリフに『狂わせたい』という一言があります。現場で堤さんの生の素敵な声で聞いてドキドキしました。きっと見ている方々にも伝わると思いますので、楽しみにしていただきたいです」
──八海以外で特に面白いと思う登場人物は誰ですか?
「八海さまのマネジャーの藤浦さんが漫画以上にドラマに出てきます。その女優さんのお芝居のパワーが凄く強くて、一緒にお芝居をしていてとても面白いです。個人的に大好きな役ですが、見てくれる方々も大好きになるだろうと感じています」
──ミワに共感する部分はありますか?
「以前、ラジオで町田啓太さんにお会いした時、もの凄く『チェリまほ』(ドラマ、映画)にはまっていて、町田さんを推させていただいていたんです。だから、最初はまともに顔を見られなくて、声もいつもより5トーンくらい高くなっていて、自分が自分じゃない感覚でした。その感覚を知っていたので、八海さまの前で平静を装うミワとの案配が難しいと思いながらも、記憶を頼りにやらせてもらいました」
──もし家政婦を実際にやることになったら家事の中では何が得意そうですか?
「あいさつはきちんとできるかもしれません。普段の松本だったらそんなに愛想良くあいさつできませんが、家政婦として主にはできる気がします。八海さまの家はキッチンも広くて、食材も自由に買えるでしょうから、料理ができたら楽しいだろうなとは思います」
──ドラマで注目してほしい部分を教えてください。
「やはり髪型に注目していただきたいです」
──それでは最後に、見てくれる人たちへのメッセージをお願いします。
「ミワは本当のことを八海さまに告白すべきかどうか悩み続けます。視聴者のみなさんは、言うの?言わないの?という状態が続くと思いますので、一緒にハラハラしていただけるとうれしいです」
◆牧 元一(まき・もとかず) 編集局総合コンテンツ部専門委員。テレビやラジオ、映画、音楽などを担当。