TBS社長 ジャニーズ性加害問題巡り、メディアとして反省の弁「長く記者…本当に恥ずかしい」

2023年09月20日 17:05

芸能

TBS社長 ジャニーズ性加害問題巡り、メディアとして反省の弁「長く記者…本当に恥ずかしい」
東京・赤坂のTBS Photo By スポニチ
 TBSの佐々木卓社長(64)が20日、東京・赤坂の同局で定例会見を行い、故ジャニー喜多川元社長の性加害問題を巡り、メディアとして反省を述べた。
 佐々木社長は7日のジャニーズ事務所の会見について「性加害を認めて謝罪して、再発防止に取り組むという発表をされたのは認識している」としたうえで、「内容は具体性に欠けていて、不十分と判断した」と見解。人権尊重や救済策などを示した4つ項目の要望書を、13日に午前中にジャニーズ事務所にコンプライアンス担当者役員が持参したと説明。今後についても「また話し合いを持って進捗状況を確認する。そこで足りなければまた要望していく。そういう働きかけを続けて、ジャニーズ事務所の人権に対する対策を促しながら、改善の状況を見たうえで、さまざまな状況を判断していく。取り引き先への責任として、今後、厳しく注視していく」と立場を示した。

 さらに、佐々木社長は「ジャニー氏の性加害問題についてメディアの役割をちゃんと果たせたのかという問題」とメディアとしての責任に言及。「過去に週刊誌で報じられ、2004年には真実性を認定した高裁の判決が確定しました。しかし、私たちはこの問題を取り上げてきませんでした。改めて、社内の報道関係者に話を聞きました」としたうえで、「当時は男性の男性へのハラスメントが著しい人権侵害だという認識が乏しかった。もう1つは、週刊誌が報じた芸能界のニュースを芸能スキャンダルと一括りに過小評価してしまうという、判断ミスだった。こうしたことが背景にあり、この問題が甘くなり、取材をせず、ニュースとして取り上げることがなかった」」と説明した。

 そのうえで「私自身、長く記者をしてきまして、自分自身を振り返りましても、人権意識の乏しさ、芸能界のニュースに対する向き合い方を思い出しますと、本当に恥ずかしい」と反省の弁。「報道機関としての役割を十分に果たせなかったことを反省し、このことを戒めとして、今後の報道に活かして参りたい」と話した。

 また、社内での聞き取りの内容についても言及。再発防止員会はジャニーズ事務所側への「忖度」を指摘していたが、佐々木社長は「忖度ではない」と言い切った。

 国際的にも問題となっている性加害問題。外部専門家による「再発防止特別チーム」の調査報告書を受け、事務所側は今月7日に会見を行い、再建へ向け藤島ジュリー景子社長の退任と、少年隊の東山紀之の新社長就任を発表。会見後には、所属タレントを広告に起用している企業が次々と契約期間終了後には更新を行わないと発表するなど、スポンサーのジャニーズ離れが進んでいる。

 13日には弁護士3人による「被害者救済委員会」を作り、補償受付窓口を開設することのほか、今後1年間、広告や番組などの出演料に関して全額を所属タレント本人に支払い、芸能プロダクションとしての報酬は受け取らないと発表。さらに19日には東山紀之新社長名で「今後の会社運営に関するご報告」を公式サイトに掲載し、同日に取締役会を開催したことを明かし、「社名変更など、今後の会社運営に関わる大きな方向性についてあらゆる角度から議論を行い、向かうべき方針を確認した」と報告。10月2日には進捗(しんちょく)内容を具体的に報告するとしている。

 事務所の会見を受け、テレビ局の対応を分かれている。TBSは会見直後に「ひきつづきジャニーズ事務所に対して、被害者の救済と人権侵害の再発防止を要望していくとともに、事務所がどう着実に進めていくのかを今後も注視しながら、適切に対処してまいります。TBSグループは人権を尊重する取り組みに、より一層努めてまいる所存です」などとコメントを発表していた。
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