大津高サッカー部“全裸土下座撮影事件” 生徒指導専門家「学校は集団を守ろうとしているが…」

2023年10月05日 08:43

芸能

大津高サッカー部“全裸土下座撮影事件” 生徒指導専門家「学校は集団を守ろうとしているが…」
テレビ朝日 Photo By スポニチ
 上越教育大学大学院教授で、いじめ・生徒指導研究センターの高橋知己センター長が5日、テレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」(月~金曜前8・00)で、昨年の全国サッカー選手権準Vの熊本県立大津高サッカー部で、全国大会の期間中に1年生部員が先輩らに全裸で土下座させられ、その様子を撮影される“事件”についてコメントした。
 昨年1月、1年生だったサッカー部員の男子生徒が、先輩にあだ名を付けたと疑われて全裸で土下座をさせられ、その様子を撮影されるいじめを受けていたとして、熊本県教育委員会は3日、いじめ防止対策推進法に基づく「重大事態」に認定したと発表した。高校は今年7月に認識するも県教委には報告せず、9月に男子生徒の保護者から相談を受けて県教委が、事態を把握した。第三者委員会を設置し、詳しく調べる。

 “全裸土下座撮影事件”は大津高が準優勝した全国高校サッカー選手権の応援のために訪れていた宿泊所で起きた。番組のインタビューに被害生徒は「全裸で土下座する形になって、同級生と先輩含めた数人がスマートフォンで写真か動画か分からないけど写真に収めた。つらい思いをする人が自分が最後で終わってほしい」と言い、学校側の対応について「どうしてもやっぱり後回し後回しというか、できるだけ大ごとにならないようにというか、そう思えるような対応だった。サッカー部はどうしていたのか、学校の職員はどうしていたのかとか、問題が起こった後にできた対応の部分とかについて、事実確認というか、はっきりしてほしい」と話した。

 大津高の西野俊一郎副校長は「正確な事実確認に時間がかかった。隠蔽(いんぺい)の意図は全くない」と話した。土下座を強要した生徒は既に卒業しており「今頑張っている生徒たちもいるので、活動休止や大会の出場辞退は考えていない」と、第1シードとして今月29日の準々決勝から参戦する全国高校サッカー選手権熊本大会に3連覇を目指して出場する。この中には“全裸土下座事件”の現場にいた被害生徒の同級生も含まれているとみられる。サッカー部総監督の平岡和徳氏は宇城市の教育長を務めている。

 高橋氏は「明らかに重大事態なので、調査前に教育委員会に報告すべき。いじめ対応の初動を間違っている」と指摘。「学校は集団を守ろうとしているが、結果的に“個人を守ることが集団を守ることになる”と気付くべき」と話した。
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