日本将棋連盟・羽生善治会長「打倒・藤井」へ意欲 8冠称賛も「私も現役ですから」

2023年10月21日 05:04

芸能

日本将棋連盟・羽生善治会長「打倒・藤井」へ意欲 8冠称賛も「私も現役ですから」
会見で笑顔を見せる羽生善治会長(撮影・西尾 大助) Photo By スポニチ
 日本将棋連盟の羽生善治会長(53)が20日、東京都渋谷区の将棋会館で報道陣の取材に応じ、11日に全8タイトルを史上初めて制した藤井聡太王将(21)を改めて称賛した。一方で現役としての意地も吐露。現在進行中の第73期ALSOK杯王将戦(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)挑戦者決定リーグでは、開幕2連勝で暫定首位に立っているだけに「打倒・藤井」への意欲も語った。
 「棋士は日々、研究とか練習を重ねながら一局一局大切に対局しているわけですが、その中でこういった大きな偉業を藤井さんが打ち立てられた。率直に凄い」と、32歳年下のスーパースターに賛辞を贈った。「これをきっかけに多くの将棋ファン、将棋に興味を持ってくれる人たちが増えてくれたらいいなとも考えています」と、連盟トップとしての思いも加えたが、プレーヤーとしての心中を問われると、高揚感をあえて隠しながら「私も現役ですから」と居住まいを正した。

 「将棋は基本的に盤を挟んでしまえば同じ条件。そこは世代を気にせずやっていくのがいいのかなと。自分自身の場合、今まで積み上げたものをこれから先もうまく生かせていけたらと考えています」

 タイトル保持は通算99期。棋界では文句なく突き抜けているが、節目の100期に到達するには、現実問題として21歳の若武者を倒す必要がある。その直近のチャンスが王将戦だ。前期に挑戦者として盤を挟み、第4局まで2勝2敗と大健闘。結局2勝4敗で敗れ去ったものの、再挑戦には現在のところ最短距離にいる。「(100期に向け)変わらず向上心を持ってやり続けなければと思っている。藤井さんの棋譜は自分自身も参考になる。それを取り入れながら頑張っていきたい」

 超新星の歴史的快挙に目を細めながらも、自らのファイティングポーズを解くことは決してない。羽生善治とはそういう男だ。
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