加藤シゲアキ 社会派小説挑戦は反骨心から「作家たちがうなる本を書きたいという漠然とした思いに」

2023年10月25日 16:13

芸能

加藤シゲアキ 社会派小説挑戦は反骨心から「作家たちがうなる本を書きたいという漠然とした思いに」
「SMILE-UP.」の社屋 Photo By スポニチ
 「NEWS」の加藤シゲアキ(36)が25日、文化放送「大竹まこと ゴールデンラジオ!」(月~金曜後1・00)にゲスト出演し、自身の作家生活について思いを語った。
 多忙なアイドル活動を続けながら、執筆活動をスタートし、2012年には「ピンクとグレー」で小説家デビュー。20年に発表した「オルタネート」は吉川英治文学新人賞を受賞し、直木賞候補にも挙がった。

 文学賞は意識していなかったという。「そんなつもりなく『オルタネート』は書いていたんですけど、まさか文学賞に選ばれるとは。そうなると作家の選考委員に読まれるので、ある種、厳しい言葉もいただき、逆に言えば、期待していただいているんだと思うので」。作家たちの厳しい書評に奮い立ったことを明かした。

 自身の著書の書評は「めちゃくちゃ読む」という。「何が言いたかったのかなとか、どうすれば良かったのかなとか。『オルタネート』は意識していなかったので、作品に対しての後悔は1ミリもない」としつつも、「おっしゃった先生方の、ある意味、ケンカじゃないけど、“それ、買うわ”みたいな。そういう気持ち、あるじゃないですか?切符を渡されたんだから、出ますよ、そのリング、立ちますよという気持ち」と意気込んだ。

 直木賞には選ばれず、「悔しい気持ちもあったんですよ」と本音を打ち明けた。「直木賞とか文学賞が欲しい、じゃなくて、選考委員たちをうならせたい。作家たちがうなる本を書きたいという漠然とした思いに駆られて」。今は賞という記録以上に、印象という記憶に残る著書を残したいという。

 3年ぶりの長編小説「なれのはて」(講談社)がこの日、発売された。自身初の時代小説で、戦争や差別など社会問題も取り上げた。「重厚な作品を書いてもいいんだよ、社会派な作品を書いてもいいんだよという背中を押してもらえた。それでこれになったんです」。作家たちの叱咤と自身の反骨心が、作品の方向性を決めたと打ち明けていた。
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