テレ東 旧ジャニーズ問題の社内検証結果を報告「人権意識希薄だった…深く反省」

2023年10月26日 16:00

芸能

テレ東 旧ジャニーズ問題の社内検証結果を報告「人権意識希薄だった…深く反省」
テレビ東京 Photo By スポニチ
 テレビ東京は26日、東京・六本木の同局で定例社長会見を行い、旧ジャニーズ事務所のジャニー喜多川元社長による性加害問題を巡る社内検証結果を報告した。
 8月29日に、同事務所の「外部専門家による再発防止特別チーム」による会見で問題点として「マスメディアの沈黙」が指摘されたことを受け、同局は8月末以降、同事務所の問題について長年放送してこなかった経緯や、コンテンツ制作現場での同事務所との関係などについて社内調査を実施。ヒアリングは報道局、コンテンツ戦略局(旧総合編成局)、制作局に所属した経験がある現役社員、元社員ら134人を対象に行われたという。

 石川一郎社長は「ジャニー喜多川氏の性加害について、テレビ東京、BSテレ東は長年にわたり、報道してきませんでした。これは旧ジャニーズ事務所の圧力や、忖度で報道しなかったわけではなく、『芸能界のゴシップであり、限られた報道時間の中で取り扱うニュース価値が低い』と判断したためです」と説明。「また、バラエティー・音楽番組などコンテンツを編成・制作する現場では性的趣向に関する噂があった元社長や、事務所関係者に事実関係を確認したり、いさめたりする行動はとっていませんでした。会社として人権意識が希薄だったを言わざるを得ません。重大な人権侵害があったことは揺るがない事実であり、報道、編成、制作を通じて、少なくとも真偽を確かめるという行動を取るべきでした。メディアとして果たすべき責任を果たせなかったと深く反省しています」とした。

 さらに「テレビ東京HDは今後、人権侵害事案などについて、適切に判断できるよう、会社全体の問題意識を高めていかなければないと考えております。新旧ジャニーズ事務所ほか、取引先とは人権デューデリジェンスの一環として引き続き、対話は進めます」と説明。「テレビ東京HDは11月上旬に『テレビ東京グループ人権方針』を作成するととともに、『人権委員会(仮称)』を設け、すべてのステークホルダーとともに人権尊重のために取り組みを進めてまいります」とコメントした。

 同局は9月の定例社長会見で社内ヒアリングを実施したことを公表。約1カ月をかけ、OBを含めさまざまな検証を行ったと説明。ヒアリングの結果は番組などで公表することはしないとしていた。

 9月の会見で、石川社長は今回の問題について「いずれの過程も、テレビ東京は報道することはなかった」としたうえで「それはひとえに忖度云々とは違い、この問題を芸能界のスキャンダルと捉えて、深刻な人権問題という認識がなかった」と見解。「今考えると、芸能スキャンダルとして黙殺するのではなくて、きちんと人権問題として取り上げるべきだったというのが社内の共通認識でして、ここにつきましては、我々としても十分反省して、今後も報道に活かしていきたいと考えている」と語っていた。

 今回の問題について、NHK、TBS、日本テレビ、フジテレビが特別番組やニュース番組の中などで特集を組むなどして、検証結果を番組内で公表している。
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