テレ東 旧ジャニ問題で社内調査結果を公表 事件報道で圧力受けた証言「名刺をよこせと威圧」

2023年10月26日 16:22

芸能

テレ東 旧ジャニ問題で社内調査結果を公表 事件報道で圧力受けた証言「名刺をよこせと威圧」
テレビ東京 Photo By スポニチ
 テレビ東京は26日、旧ジャニーズ事務所の故ジャニー喜多川元社長による性加害問題を受け、局員への調査結果を企業サイトで公表した。
 ジャニー氏の性加害スキャンダルが週刊文春で報じられたことをめぐる裁判では、テレ東、BSテレ東ともに報道しなかった。これについては「当時の報道局はこの事案に関して『芸能界のゴシップ』『ワイドショーで扱う内容で、経済報道を中心とするテレビ東京の報道向きではない』という意識が強かった」と説明。「『政治・経済・社会事件の分野で取材・報道すべき様々な事案が山積しており、芸能界の出来事を報道する優先順位は低いと考えた』といった回答が大勢を占めた」とした。この判断について「報道現場の人権意識が希薄だったことが背景にあった」と反省をつづった。また同局にはワイドショーのような情報番組がなく、「原則として報道番組で芸能界の話題は扱わないという共通認識があった」とした。

 1999~2004年に関連案件に関わった報道局員らへの調査では、同事務所からの圧力、忖度などについては、「圧力、忖度はなかった」「記憶にない」との回答だったという。ただし、元報道局員は、所属タレントが逮捕された際の警察取材で、入り口で同事務所の幹部とみられる男性から「『名刺をよこせ。後で会社に伝えるからな』と威圧された」と証言。こうした圧力、忖度によって、報道を歪めたり、手加減に伝わった例は1件も確認できなかったとした。

 音楽番組では、旧ジャニーズ以外のグループを出演させようとしたところ、(同事務所から)「出してもいいけど、うちは引くから」と言われたという元編成局員の証言も紹介。一方で、「当時、(同事務所の)トップといわれていたタレントはテレビ東京の番組に出ていなかったので、忖度など必要なかった」(元制作局員)といった、テレ東らしい証言もあった。

 テレ東は1999年4月から02年末まで、同事務所とは取引がなかったというが、その後に再開。その際に「所属タレントの人気が高まるとともに、同事務所の発言力も増大。キャスティングについて、同事務所の影響が大きくなった」とも説明した。
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