犬塚弘さん死去 山田洋次監督が悲しみの追悼「善意が背広を着てコントラバスを演奏しているような人」

2023年10月27日 15:20

芸能

犬塚弘さん死去 山田洋次監督が悲しみの追悼「善意が背広を着てコントラバスを演奏しているような人」
山田洋次監督
 1960年代に人気グループ「クレージーキャッツ」の一員として活躍、俳優としても知られた犬塚弘(いぬづか・ひろし、本名弘=ひろむ)さんが27日までに死去した。94歳。東京都出身。
 犬塚さんの死去で、クレージーのメンバーは全員が他界した。

 ジャズバンドを経て、55年にドラム奏者のハナ肇さんらと「キューバン・キャッツ」を結成。その後、クレージーキャッツと改名し、谷啓さん、植木等さんも加わった。

 「クレージー黄金作戦」などの喜劇映画のほか、テレビでもバラエティー番組「シャボン玉ホリデー」などに出演。60年代に国民的な人気を集め、演奏も得意なグループの中で犬塚さんはウッドベースを担当した。「ワンちゃん」の愛称と、とぼけたキャラクターで親しまれた。

 メンバーが単独で活動するようになって以降は、俳優として活躍。山田洋次監督の映画「馬鹿が戦車でやって来る」や「男はつらいよ」シリーズ、テレビドラマ、舞台の井上ひさし作品などに出演。ひょうひょうとしながら哀愁を醸し出す演技で味わいを添えた。

 山田洋次監督は犬塚さんの逝去に際し、「ワンちゃん、サヨナラ」との談話を発表。「遂にワンちゃんもか、という思いです。リーダーのハナ肇さんはじめ、クレージーキャッツのメンバーは、みんなお人好しだったが、その中でもワンちゃんこと犬塚弘さんはとび抜けて好人物、善意が背広を着てコントラバスを演奏しているような人でした。全身からあふれ出すようなその善意で、どれだけ多くの観客を楽しませてくれたでしょうか。ありがとう、ワンちゃん」と追悼した。
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