仲邑菫女流棋聖「より高いレベルで勉強することが必要」 来年3月、韓国棋院移籍会見
2023年10月31日 04:50
芸能
約4年半在籍している日本棋院への感謝の思いも口にし「いつか戻って、日本の囲碁界に役に立てるようになりたい」と話した。囲碁は8日に閉幕したアジア最大のスポーツの祭典、アジア大会(中国・杭州)で競技に採用され、国別団体戦が注目を集めている。将来的には、日の丸を背負った仲邑の活躍も期待できそうだ。日本棋院関係者からは、大リーグの大谷翔平(29=エンゼルス)を引き合いに海外移籍後のさらなる飛躍を願う声も上がる。
韓国生活での楽しみを聞かれると「毎日キムチチゲを食べることです」と満面の笑み。「年が近い人たちと話すことも楽しみ」と語り、女子中学生らしい一面ものぞかせた。
来年2月までは国内の対局を行う。日本棋院によると、女流棋聖戦の防衛戦をはじめ6つの棋戦に参戦予定。移籍後は国内の公式戦に出場できなくなり、タイトルを防衛した場合は返上になる。
仲邑は日本棋院が世界での躍進を期して新設した「英才枠」の第1号棋士。小林覚理事長は「期待を裏切らず頑張ってくれた。努力と実績を評価して快く送り出したい」とコメント。また、今後に向けて海外移籍を希望する棋士のためのルール作りや海外から棋士を受け入れる体制の整備を進めていくことを明かした。
≪中国&韓国2強≫ 囲碁界は中国と韓国の2強で、日本との差は大きいとされている。1999年から行われている日中韓3カ国の男子国別対抗戦「農心杯」では、2022年まで日本の優勝は05年の1回のみで、中国が8回、韓国が15回。特に直近は韓国が3連覇中だ。そんな韓国でも仲邑の注目度は高く、プロ入り発表時には韓国メディアも取り上げたほどだ。杭州アジア大会では男子団体戦は韓国、女子団体戦は中国がそれぞれ金メダルを獲得した。日本棋院によると、定期的に行われる国別団体戦が男子にはあるが、女子にはないという。
◇仲邑 菫(なかむら・すみれ)2009年(平21)3月2日生まれ、大阪府出身の14歳。師匠は父親の仲邑信也九段。3歳で碁を覚える。19年4月に日本棋院が新設した「英才特別採用推薦」の適用により当時史上最年少の10歳0カ月でプロ入り。今年2月には史上最年少の13歳11カ月で女流棋聖を奪取し、中学生で初めてタイトルを獲得した。韓国での師匠は韓鐘振九段。