後輩、視聴者を元気づけるスイマー・西山喜久恵の挑戦「諦めずに努力すると数字で結果が出る」

2023年11月05日 10:00

芸能

後輩、視聴者を元気づけるスイマー・西山喜久恵の挑戦「諦めずに努力すると数字で結果が出る」
世界マスターズに向けた練習試合に参加したフジテレビの西山喜久恵アナウンサー Photo By スポニチ
 【夢中論】「キクちゃん」の愛称で親しまれ、30年以上にわたりフジテレビのアナウンス室を支えている西山喜久恵アナ(54)。40歳頃から始めた水泳が今では日課となり、今年8月には世界マスターズに初参加した。バイタリティーと向上心にあふれる姿は、多くの後輩や視聴者を元気づけている。(吉澤 塁)
 今年8月8日、福岡県内で開催された世界マスターズ。区分は50~54歳の50メートル自由形。号砲と同時にプールに飛び込み、レースが始まった。長くゆっくり息を吐き、6回水をかいたら顔を横に向ける。一気に空気を吸い込んで再び腕と足を動かす。35メートルを過ぎると徐々に苦しさもこみ上げるが、クロールに集中し50メートルを完泳。記録は38・4秒。大舞台を泳ぎきった。

 「目標は37秒台でした。出せたら格好良いと思ったのですが…。欲が出たからでしょうか。少し力み過ぎたのかもしれません。でも自分の成長を実感することができて、こんなにうれしいことはない」。喜びと悔しさがあふれ出る。

 水泳を始めたのは40歳の頃だった。長女が通うスイミングスクールに自身も入会し、週に1、2回ほど通うようになった。基礎クラスからスタートして半年後、上級クラスに昇級。「先生のお墨付きをもらってランクがアップする。この年になってそんな経験をすることはあまりない。だから本当にうれしかったんです!」

 それから局内の水泳仲間たちと切磋琢磨(せっさたくま)し、今年1月に初の世界マスターズ挑戦を決意。元競泳日本代表の松田丈志氏(39)らからの指導を受け、毎日欠かさず体幹トレーニングにも励んだ。

 「老眼も始まっていますし、もちろん肉体は衰えている。でも諦めずに努力すると数字で結果が出る。そういう機会が今の私にとっては貴重なんです」

 そんな西山アナの姿が昼の情報番組「ぽかぽか」で紹介されると、多くの人に勇気を与えた。後輩の山崎夕貴アナ(36)からは「キクさんの姿を見て、私も出産を頑張れると思います」と連絡があり、その後無事に第1子を出産したといううれしい報告が来た。

 フジのアイドル的存在だった「キクちゃん」も、気がつけば同局の女性アナでは最年長となった。アナウンス室内での立場は管理職。一方で自身も現役として番組に出演し続ける。落ち着いた進行は局内外で高く評価されているが「まだまだ私なんて…。自分が新人だった頃の益田由美さん、城ケ崎祐子さんたちと比べたら足元にも及びません」と満足していない。

 入社当初から報道、バラエティー、スポーツ、イベントの司会などさまざまなジャンルに挑戦。「女子アナ30歳定年説」を乗り越え、子育てを行い、どんな仕事でも任される存在になった。そのキャリアを支えた向上心は今も衰えない。「音声表現という点に関しては今でも勉強の日々です。時代も変わってきて、これからもっと音声というものの可能性が広がってくると思っています。だから30年以上、毎日練習していた自分の声というものをこれからも磨いていきたい」

 水泳は仕事にも好影響を与えている。「呼吸が長く続くようになりました。それに体幹を鍛えたからか、長い収録でずっと立っていても後輩たちより平気だったり。これからもっと後輩を鍛えていこうかな」

 12月の大会にはすでにエントリー済み。「次は37秒台を目指しています。そして今度の大会では背泳ぎにも挑戦します!」。50歳を超えてなお輝き続ける西山アナの挑戦。水泳で引き締まったその背中は、きっと後輩たちにとって憧れの姿なのだろう。


 ◇西山 喜久恵(にしやま・きくえ)1969年(昭44)6月22日生まれ、広島県出身の54歳。92年に上智大を卒業後、フジテレビ入社。「笑っていいとも!」のテレフォンアナウンサーや「プロ野球ニュース」のキャスターなど、スポーツ、報道、バラエティーと幅広く活躍。97年に同僚と結婚。現在は「めざましどようび」などに出演。

 ≪めざましテレビきょうのわんこ「自分が亡くなるまで…」≫ 「めざましテレビ」内の人気コーナー「きょうのわんこ」は、1994年のスタート当初から西山アナがナレーションを務め続けている。今年で30年目に突入。「自分が亡くなるまで担当したいですね」と笑う。「“あれ、きょうキクさん収録に来ないね”なんて言っていたら、亡くなっている…。そんなアナウンサー人生でありたいな」と夢を膨らませた。

この記事のフォト

【楽天】オススメアイテム
`; idoc.open(); idoc.write(innerHTML); idoc.close(); });