岩田明子氏 首相ら賃上げ法案に苦言「自分たちが先に賃上げ…政治家としてのセンス問われる」

2023年11月05日 17:24

芸能

 ジャーナリストで千葉大客員教授の岩田明子氏が4日、ABEMA「NewsBAR橋下」(土曜後9・00)にゲスト出演し、国会に提出された国家公務員特別職の給与法改正法案について解説した。
 岸田内閣は10月の臨時国会で、「特別職の職員の給与に関する法律」の改正案を提出。人事院勧告に基づき、一般職の国家公務員の給与が引き上げられるもので、これにともない岸田文雄首相をはじめ閣僚ら特別職の給与もアップする。

 法案が成立すると、今年4月にさかのぼって計算し直すため、ボーナスを含めると、岸田首相は年間約46万円、大臣でも約32万円という大幅賃上げとなる。この賃上げは今後、継続して行われるが、政府が出している国民への所得減税案は1回ポッキリ4万円。大きすぎる格差が、国民の反感を買っている。

 国民の給料が30年、上がらず、物価高や円安に苦しむこのタイミングでの法案提出。MCの「サバンナ」高橋茂雄は「何で今やねんと世間は思う」と、国民の思いを代弁した。

 岩田氏も「減税をしますと言っていて、理解を得られていない。賃上げが課題です、物価高に追いつかせますと言っておいて、自分たちが先に賃上げするというのは、政治家としてのセンスが問われる。普通、それはちょっとやめましょうと。今じゃないですよと(思う)」と疑問を口にした。

 野党の追及に岸田首相は、首相は3割、大臣は2割を国庫へ返納していることを主張し、法案を撤回せず、国民に理解を求める方針を示した。岩田氏は「閣僚が2014年から自動的に返納しているんですよ、国庫に。だからいいでしょ?という答えをしたじゃないですか?これって、国民の感情を逆なでする答えだと思うんです」と指摘した。

 さらに「政治家というのは、“まず隗(かい)より始めよ”で…」と、「事を始めるには自分からやり出さなければならない」という意味のことわざを言いかけたが、「隗より始めよで賃上げしちゃったのか」と皮肉を込めてコメント。「自分たちが身を切る改革ですよ。最後でいいですよというね」と言い直していた。
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