テレ朝が旧ジャニ問題検証番組 制作現場での一部“忖度”認める「忖度するという局内の空気が醸成された」

2023年11月12日 10:57

芸能

テレ朝が旧ジャニ問題検証番組 制作現場での一部“忖度”認める「忖度するという局内の空気が醸成された」
テレビ朝日 Photo By スポニチ
 テレビ朝日は12日、旧ジャニーズ事務所の故ジャニー喜多川元社長による性加害問題を受け、検証番組「テレビ朝日 旧ジャニーズ問題検証」を午前10時から放送した。
 同局の篠塚浩社長は10月31日の定例会見で、「再発防止特別チームが指摘した、いわゆる“マスメディアの沈黙”、さらに制作現場などでもジャニーズ事務所との関係については、総合的に検証する特別番組の放送を決定した。現在社内外のヒアリングなどを進めている」と報告していた。

 今回の検証で、制作現場では「ジャニー氏は男の子が好きという話を噂レベルで聞いたことがあった」「噂程度で重く受け止めていなかった」との声があったことを取り上げた。事務所への忖度や圧力があったかについては「圧倒的にパワーバランスの上位にいる」「最大級の配慮は大口の取引先として行っている」「忖度したことはある。他の事務所の男性アイドルグループを出そうとすると気にするだろうなと」「大物をキャスティングする布石のために知名度のないタレントでドラマをつくるなどあった」「配慮があったことは事実」などの証言があったと紹介された。

 コンテンツ編成局長・奥川晃弘氏は「キャスティングを強化したいという背景の中、旧ジャニーズ事務所のキャスティングは、会社の戦略として、上層部や編成幹部が動くことが多くなっていきました。その中で、さまざまな対応や交渉が行われ、それが忖度なのか、配慮なのか、通常の商慣習なのか、評価は分かれると思いますが、確かなのは、それがテレビ朝日の社内においては、旧ジャニーズ事務所が神経を使う事務所であるという雰囲気が醸成されたことです」とコメントした。

 有識者は「きちんとした対応を取らず、ジャニーズタレントを起用し続けた」「世界のスタンダードにあてはめれば相当厳しい追及をされても仕方ない事案」などと指摘。

 常務取締役の西新氏は、7名が忖度したと回答したことを受け「旧ジャニーズ事務所が近年非常に大きくなり、人気スターや人気グループが多数在籍することから、会社マターとして、編成や制作の幹部が直接交渉に動くことが多く、忖度という空気が、徐々にですが醸成されたものと思います。そして、我々のこのエンターテインメントの空気が、報道局にも影響を与えたとするならば、それは猛省すべきことと考えております」と説明。テレビ朝日としても「“忖度する”という局内の空気が醸成された」と認めた。

 在京の民放各局は、性加害問題を受けての社内調査結果を検証番組として10月に放送。日本テレビは4日の「news every.」内で、TBSでは7日の「報道特集」で検証結果を報告し、フジテレビは21日に「週刊フジテレビ批評 特別版 旧ジャニーズ事務所創業者による性加害問題と“メディアの沈黙”」と題して特別番組を放送。テレビ東京は26日に「ジャニーズ性加害問題~検証報告と今後の対応~」を急きょ放送した。
【楽天】オススメアイテム