大橋純子さんを襲った食道がんの怖さ 難しい早期発見 転移のリスク大 50%近い再発率

2023年11月13日 05:08

芸能

大橋純子さんを襲った食道がんの怖さ 難しい早期発見 転移のリスク大 50%近い再発率
大橋純子さん
 9日に73歳で死去した歌手の大橋純子さんは、2018年3月に初期の食道がんであることを公表し、今年3月に検診で再発が判明した。体調が急変し、入院したのは亡くなる1週間前。その期間があまりにも短かったことから、多くの人が「食道がん」について改めて思いを巡らせている。
 国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」によると、2019年に新たに診断されたがんは99万9075例。このうち食道がんは2万6382例。男性が2万1719例と、女性の4663例に比べて約4・7倍と多かった。年代では60~70代が多い。

 医療ジャーナリストで医学博士の森田豊氏は「早期発見が難しいがん」だと指摘。「内視鏡検査などで検査しないと腫瘍に気づけない」と話す。食道の周囲は薄い膜で肺や胃など重要な臓器と近接し、血流やリンパ節も多いため「そのような場所への転移は命に関わってくる」とした。

 早期では自覚症状がない人も多い。森田氏によると、がんが進行し腫瘍が大きくなるにつれて、飲食物の飲み込みづらさ、つっかえ、胸の痛みを感じるようになるという。

 “2大リスク”は喫煙と飲酒。このうち飲酒に関しては、量はもちろん、飲んで顔が赤くなる体質の人も注意が必要という。酒を飲むと、体内にはアルコールの代謝で生まれる発がん性物質アセトアルデヒドがつくられる。この物質を分解する酵素が少ない人は、飲むと顔が赤くなりやすい。森田氏は「最近の知見として、飲酒してすぐに顔が赤くなるタイプの人は、少量のお酒でも頻繁に飲酒すると、食道がんにかかるリスクが大きく跳ね上がる」と注意を呼びかけた。

 他のがんに比べ、再発率が30~50%と高いのも特徴。再発するかどうかは5年経過が一つの目安。1年以内の再発が多いとされるが、大橋さんと同じように4、5年で再発するケースもある。

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