藤井竜王「盤上没我」を大事にしたい　新記録の20連覇へ王将戦は「いい状態で臨みたい」

　将棋の第36期竜王戦で11日に3連覇を達成した藤井聡太竜王（21）＝8冠＝が一夜明けた12日午前、対局会場の北海道小樽市の銀鱗荘で会見した。 　「改めて防衛の喜びを感じています」と振り返った藤井は記念の揮毫（きごう）に「盤上没我」を選び「今シリーズではそういう感覚になることがあった。その感覚を大事にしたいので」と意図を明かした。

　出場タイトル戦19連覇は大山康晴15世名人に並び、新記録の20連覇は来年1月開幕予定の第73期ALSOK杯王将戦（スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催）で実現する可能性がある。

　現在行われている挑戦者決定リーグで挑戦圏内にいる3人、永瀬拓矢九段（4戦全勝）、菅井竜也八段（4勝1敗）、羽生善治九段（3勝2敗）について「羽生九段は柔軟な判断力があり、菅井八段はうまく手をつくられて攻め込まれる将棋が多い。永瀬九段は普段の研究会よりさらに工夫されている」とそれぞれ分析。「どなたが挑戦者になるか分かりませんが、いずれにしても大変なシリーズになる。しっかりといい状態で臨みたいです」と結んだ。（我満　晴朗）