松竹、猿之助被告を「今後も支える」現状は白紙 本人は「言い表せない罪」談話 所属事務所は「契約終了」

2023年11月17日 16:17

芸能

松竹、猿之助被告を「今後も支える」現状は白紙 本人は「言い表せない罪」談話 所属事務所は「契約終了」
市川猿之助被告 Photo By スポニチ
 両親に対する自殺ほう助の罪に問われている市川猿之助(本名喜熨斗=きのし=孝彦)被告(47)の判決公判が17日、東京地裁で開かれ、懲役3年、執行猶予5年の有罪判決が下された。判決公判を受け、松竹と所属事務所はコメントを発表。松竹は、今後の活動について「まったく白紙の状態」としながらも、「本人と時間をかけて話し合う」と展望を示し、本人の直筆署名入りのメッセージを掲載した。一方、所属事務所「ケイファクトリー」は「本人からの申し出により、契約を終了する」と発表した。
 猿之助被告は、両親に対する自殺ほう助の罪で懲役3年、執行猶予5年の判決を受けた。松竹は「本日、市川猿之助に対し、東京地方裁判所より両親への自殺幇助事件に対し、懲役3年執行猶予5年の判決が下されました」と報告。「控訴期間が設けられております為、判決は確定しておりませんが、まずは弊社といたしまして、これまで弊社の製作主催する歌舞伎公演に数多く出演してきた市川猿之助が人命に関わる事件によって有罪判決を受けましたことを極めて重く受け止める次第です」とし、「お亡くなりになられました市川段四郎ご夫妻に改めて哀悼の念を表します」と記した。

 「事件後、当局による捜査や公判を通じ、今回の件に至る様々な経緯や背景が市川猿之助本人からも説明されましたが、如何なる事情があったとしても市川猿之助が行った判断は決して許されるものではなく、大きな過ちであったことは申し上げるまでもありません」と、猿之助被告の判断を指摘。一方で、「市川猿之助は、今後、自らの関与によってご両親を失った現実と悔恨の念に向き合いながら生きていくこととなります」とし、「弊社としてはまずは一人の人間として、亡くなられたご両親の分までしっかりとこの後の人生を歩んで欲しいと考えます」と、猿之助被告への思いを記した。

 「市川猿之助としての今後につきましては、現時点ではまったく白紙の状態でございます」とし「弊社としては市川猿之助のこれまでの歌舞伎界への貢献に照らせば、本人を是非支えて参りたいと存じますが、本日の判決をどのように受け止めるか、弊社としても本人と時間をかけて話し合い、また、今回の件が社会全体に与えた影響や責任からも目を逸らさず、皆さまからのご意見にも耳を傾けながら、進むべき道を共に模索して参りたいと思います」と今後の活動についての見解を示した。

 松竹は、「市川猿之助からのメッセージ」として、本人の直筆署名入りの談話を掲載。「歌舞伎界を含め、多くの皆様に治癒し難い傷を負わせてしまったことに対し、言い表せない罪を感じています」と懺悔し、「生きることを諦める気持ちになったとき、自死を成し遂げることだけを考えていました。自分の精神状態の異常性すら理解できない状況に陥っていました。“あなただけ行かせるわけにはいかない。”という両親の言葉も自然に受け止めてしまっていました。来世に向かう両親の身支度をし、そして、自分の終止符へと向かいました」と心境などを打ち明けた。

 また、所属事務所「ケイファクトリー」は、猿之助被告の判決を報告し、「市川猿之助本人からの申し出により本日11月17日付で弊社との契約を終了することといたしました」と発表。「現状弊社としても今回の事件が社会に及ぼした影響や、社会的責任等を鑑みるにマネージメントは難しいと判断し、双方合意のもとこの結論に至りました」と説明し、「市川猿之助については今後の人生を全うして欲しいという思いが私たちにもございます。契約としては終了いたしますが今回の件でご迷惑をおかけした関係者各位に対しまして今後とも本人と話し合いを持ち真摯に対応してまいります」と、引き続きサポートするとした。

 先月20日に行われた初公判で、検察側は懲役3年を求刑。判決は猶予刑になるとみられる。関係者によると、猿之助被告は現在、弟子のサポートを受けながら自宅で静かに過ごしているという。初公判では舞台復帰への意欲を口にしていた。

 起訴状によると、猿之助被告は5月17日、東京都目黒区の自宅で、自殺を手助けするため父親で歌舞伎俳優の市川段四郎さんと、母喜熨斗延子さんに向精神薬を服用させ、同日から翌18日にかけて死亡させたとしている。

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