猿之助被告 “直筆”談話に記した後悔、心境の変化「生かされた自分に、これから何ができるか考えていく」

2023年11月18日 05:05

芸能

猿之助被告 “直筆”談話に記した後悔、心境の変化「生かされた自分に、これから何ができるか考えていく」
市川猿之助被告 Photo By スポニチ
 両親に対する自殺ほう助の罪に問われた歌舞伎俳優の市川猿之助(本名喜熨斗=きのし=孝彦)被告(47)に対し東京地裁は17日、懲役3年、執行猶予5年(求刑懲役3年)の判決を言い渡した。安永健次裁判長は「刑事責任は軽視できない」と厳しく指摘。執行猶予期間としては最長で、本人が希望する舞台復帰は5年後となる見通しだ。また、猿之助被告は判決後に直筆署名入りのコメントを発表した。
 ≪コメント全文≫

 本日、裁判所から、懲役3年執行猶予5年の判決の言い渡しを受けました。失意のどん底で決意したこととはいえ、常に自分を見守ってくれた父と母を巻き込んでしまったこと、そして、歌舞伎界を含め、多くの皆様に治癒し難い傷を負わせてしまったことに対し、言い表せない罪を感じています。

 自分の記事が世に出るとき、そのこと自体により、四代目猿之助を継承した自分が「猿之助」という名前のみならず歌舞伎界という大きな伝統と文化に対し深い傷を与えてしまうこと、また成長を歩み続けている猿之助一門のみんなを暗闇の中に放り出すこと、その現実の大きさから自死を選んでしまいました。どん底の中で生き長らえることを選ばなかった自分の弱さを責めるしかありません。たとえ生活の場を失ったとしても、次の日を信じて静かに待つべきでした。生きることを諦める気持ちになったとき、自死を成し遂げることだけを考えていました。自分の精神状態の異常性すら理解できない状況に陥っていました。「あなただけ行かせるわけにはいかない。」という両親の言葉も自然に受け止めてしまっていました。来世に向かう両親の身支度をし、そして、自分の終止符へと向かいました。

 自分一人で抱え込まず、周囲の人に自分の不安や絶望を相談するべきでした。ただ、当時の自分は、自分の立場もあり、他の人には自分の気持ちは理解できないだろうと考え、また、周囲に弱みを見せることもできませんでした。

 事件の日から今日まで生きてきました。毎日、あの日のことを思い返してきました。私だけが生き延びてしまった、父と母に申し訳ない、そういったことを考えていました。事件後も、死んでしまいたい、明日命が終わっていないか、と思うこともありました。しかし、周囲や病院関係者の助けのおかげで、事件のときほど真に迫った自死の思いが生じることはありませんでした。

 「最後に何か言いたいことはありますか。」という裁判官の言葉に対し、「自分にできることがあればやらせていただきたい。」と答えました。

 今後は、生かされた自分に、これから何ができるか考えていきます。

 これからは、一人で抱え込まずに、自分の弱さも自覚し、周囲の方々に相談し、助けていただきながら、一日一日一生懸命に生きていこうと考えています。

 本当にご迷惑をおかけしました。(原文まま)


 ≪「道を共に模索」松竹話し合いへ≫ 松竹は判決を受け、公式サイトでコメントを発表した。「弊社の製作主催する歌舞伎公演に数多く出演してきた市川猿之助が人命に関わる事件によって有罪判決を受けましたことを極めて重く受け止める次第です」とつづった。今後は本人と時間をかけて話し合うとし「今回の件が社会全体に与えた影響や責任からも目を逸(そ)らさず、皆さまからのご意見にも耳を傾けながら、進むべき道を共に模索して参りたいと思います」と展望を語った。
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