宝塚歌劇団「外部調査」公平さに疑問　弁護士事務所に関連企業役員

　宝塚歌劇団（兵庫県宝塚市）の女性劇団員（25）が急死した問題で、歌劇団が14日に概要を公表した調査報告書をまとめた大阪市の弁護士事務所に、歌劇団を運営する阪急電鉄のグループ企業の役員が所属していることが17日、分かった。 　歌劇団の木場健之理事長は調査チームを設置した10月の取材に「歌劇団、阪急電鉄とはこれまで接点のなかった弁護士事務所だ」と説明。調査の公正さや信頼性が揺らぐ事態といえ、改めて批判を浴びそうだ。

　調査は「大江橋法律事務所」が担当。所属の石原真弓弁護士が、阪急阪神百貨店の親会社「エイチ・ツー・オー（＜H2＞O）リテイリング」の社外取締役で「監査等委員」を務めている。

　歌劇団は17日、取材に「（＜H2＞Oは）歌劇団や阪急電鉄とは独立した企業」とした上で、石原弁護士は調査報告書の検討、作成には関与していないと取材に回答。「事務所内でも除法遮断措置を取ったと聞いている」とした。阪急電鉄も同様の談話を出した。

　遺族代理人の川人博弁護士は「看過できない事柄で、説明が必要だ」とするコメントを発表した。


　≪来月14日まで宙組公演中止≫　宝塚歌劇団は17日、宙組の東京宝塚劇場公演「PAGAD（パガド）」「Sky　Fantasy！」を初日の25日から12月14日まで中止すると発表した。宝塚大劇場（宝塚市）での公演は、所属俳優の急死を受け、開幕3日目の10月1日から千秋楽まで中止していた。