西川のりお 現在のM―1は「どんどん受験みたいになってきた」と課題を指摘 審査員にも言及

2023年11月23日 18:24

芸能

西川のりお 現在のM―1は「どんどん受験みたいになってきた」と課題を指摘 審査員にも言及
西川のりお Photo By スポニチ
 お笑いコンビ「西川のりお・上方よしお」の西川のりお(72)が23日、ABCラジオ「ますだおかだ増田のラジオハンター」(木曜正午)にゲスト出演。この日、準決勝進出組が発表された「M―1グランプリ」に言及した。
 西川はM―1について「漫才のネタの尺って決まってるよね。M―1用のネタで劇場来たらね、客が同じ反応起こさへんのよ。やっぱりコンテスト用のお客さんやから。ここらへんがね、これから課題」とM―1用のネタでは劇場のお客さんが笑わないこともあるとした。

 続けて「ちょっと難しいこと言うけど、日本の社会と似てる」とし「受験あるわね、中学、高校、大学と。親子で“良かったねー”って合格発表の番号見て、良い会社入ったら喜んで、“入る”ってことがゴール地点みたいに取ってる人が多い。漫才でも賞獲って“やったー”でそこで到達感に浸ってる」と受験の合格発表同様、賞を獲っただけで満足してしまってる芸人が多いのではと問題を指摘した。

 この指摘に増田も「劇場でもウケてる、ライブでもウケてる、営業でもウケてる。そういう芸人が集まって“さぁ、コンテスト”っていうのと、最初からこの4分の戦いに向かってるのでは分かれますよね」と語った。そして「でも今これが(売れる)最短コースになってるから、一番効率はいいわけですよね」とした。

 ただ、西川は「コンテスト用のネタやったら芸人になられへん」と断言。「後輩に物申したいのはね、やっぱり盆踊り行って盆踊り来てるお客さんを喜ばす。村の祭りのお客さん来たら喜ばすような土の匂いがするのもちょっと育ってくるのか、大丈夫かなって思ったりする」とコンテストだけに心血を注ぐのはどうかと疑問を投げかけた。

 西川は「分かるのよ。それ(優勝)でテレビ(出演)の機会も変わるから、今回の発表で皆、小躍りする。まさに大学受験で自分の番号を確かめるのと一緒」と受験の合格発表のようになっているのではと意見した。

 初期の頃のM-1グランプリと現在の大会の違いとして「ますだおかだにせよ、中川家にせよ、そこそこキャリアがあって劇場も出てる連中が集まったんよ」と腕を磨いている芸人が決勝まで進んでいたとし「(大会の)回数重ねるごとに出場者が変わってきた。後半なってくると、どんどん受験みたいになってきた」と印象を口にした。

 増田も「あんま知らんのが1組、2組入ってアクセントなってたのが、“今回はどんなスターが誕生するんや”って目線に変わってきてるところありますね」とうなずいた。

 西川は審査員についても言及し「審査員は全員プロの人間。プロ好みの芸人を選んでる感じがする」と意見。「最終的に見るのはお客さん。これちょっと違うことになるねん」とした。

 具体的に「ツッコミがどうとかね、お客さんは結果として笑うから、ツッコミの細かいのとか別として面白いとなる。“今のツッコミええな”とか、イチイチお客さんは言わないからね。そういう味方になってしまってる」と単純にネタが面白いかどうかでなく漫才のテクニックを見てしまっているのではとした。「審査員も第三者的に見るってなっても、まだまだ現場でやってるから、そんな第三者的にはなれないのよね。テレビ出てる人、舞台出てる人が審査してる。一長一短やね」と個人的見解を述べた。
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