渡辺謙 AI進歩で俳優業に危機感 「固く信じていた」10年前の思いから一変「ちょっと自信が…」

2023年11月24日 15:19

芸能

渡辺謙 AI進歩で俳優業に危機感 「固く信じていた」10年前の思いから一変「ちょっと自信が…」
渡辺謙 Photo By スポニチ
 俳優の渡辺謙(64)が23日、テレビ朝日系「報道ステーション」(月~金曜後9・54)に生出演し、AIの進化で抱いた俳優業への危機感について語った。
 米国では昨年7月からハリウッドスターら約16万人が加入する映画俳優組合がストライキを続けてきた。製作会社側に待遇改善やAIによる映画製作への制限などを求めていたが、今月8日に合意。118日間の闘争に終止符を打った。

 AIの急激な技術革新により、様々な分野で人間がAIに取って代わられる可能性も否定できない時代になった。大越健介キャスターから「俳優ご本人の仕事がAIによって脅かされている実感は」と問われると、渡辺は「10年前は“絶対そんな時代は来ない。やっぱり魂を揺さぶるものって、僕らは演技として、心として伝えていくから、機械に取って代われない”と固く信じていた」と返答。しかし「ちょっと自信がなくなりましたね。それくらいのイノベーションがあると今は思っている」と危機感を口にした。

 大越キャスターからは「俳優は人間を突き詰めていく仕事だから、AIはデータは学習していくけど、深く掘っていくのは人間しかできないんじゃないか?」とも尋ねられた。すると渡辺は、受け手側の変化にも言及。「観客そのものが、アニメとかフルCGでもいいやという時代が来るかもしれない。特に若い人はその方が感情移入できるという人たちが増えているんです、ある意味」と答えた。

 その上で、「僕たちがそれだけは伝えられるよねと思ってることが、世代間でアニメーションの方が勝っちゃうんだとか、CGI(CGによる映像イメージ)が勝っちゃうんだという時代がくるかもしれない、というのが自信がない」と本音を打ち明けた。

 社会とAIの共存についても、「今もう岐路に立っていると思う。たとえばイノベーションが進めば便利になりますよね。人が求めれば、便利な方にどんどんいくわけですよ」と、自身の受け止めを話した。24時間、無人でキャッシュレス決済ができる書店のニュースを見たといい、「本屋の店員さんが社会でいらなくなるって、僕はちょっと嫌だなと思っている」と例を挙げ、違和感を口にしていた。
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