こまばアゴラ劇場、2024年5月末に閉館 芸術総監督・平田オリザ氏が決断 コロナ禍、物価高騰など影響

2023年12月01日 20:38

芸能

こまばアゴラ劇場、2024年5月末に閉館 芸術総監督・平田オリザ氏が決断 コロナ禍、物価高騰など影響
平田オリザ氏 Photo By スポニチ
 東京都目黒区にある「こまばアゴラ劇場」の公式サイトが1日に更新され、同館が24年5月末をもって閉館されることが発表された。
 公式サイトでは、芸術総監督を務める平田オリザ氏による文書が掲載。

 「まことに残念ながら、こまばアゴラ劇場は2024年5月末をもって閉館することとなりました。また、それに伴い私も芸術総監督の座を退任することとなります。これまでの皆さんのご愛顧に感謝いたします」と告知された。

 「もともと、こまばアゴラ劇場は、私の父平田穂生が銀行から多額の借金をして開業したものでした。その後、私が23歳で支配人に就任し、多くの方々のご支援もあり、どうにかここまで経営を続けてきました」とし「しかしながら、現在も負債は多く残っており、私の人生の残り時間を考えると、健康上など不測の事態が起きた場合に、債務不履行の状態に陥る懸念があります。そこで、債務超過に至っていない今の段階で資産を処分することといたしました。いずれはこのときが来ることを覚悟していましたが、コロナ禍、諸物価の高騰、メンテナンス費用の増大などがあいまって早めの決断を迫られました」と、決断に至った理由を説明。

 「ここまで劇場を応援してくださった皆様には、突然のお知らせとなりますがご容赦いただければと存じます」といい「なお、経営母体である有限会社アゴラ企画は、このまま存続し、以下のようにアトリエ春風舎の運営および劇団青年団の親会社として継続して活動を行います。また、兵庫県豊岡市の江原河畔劇場も同様に継続して運営を続けます。支援会員制度も形を変えながら、存続させて参ります。どうか、今後もご支援、ご協力いただければ幸いです」とした。

 なお「アトリエ春風舎は今後も、芸術監督の大池容子を中心に運営をしていきます。劇団青年団は、江原河畔劇場をフランチャイズとしながら、機会に応じて東京公演、全国公演、海外公演も引き続き行っていきます。有限会社アゴラ企画が行ってきた無隣館を中心とした人材育成、ワークショップなどの教育普及活動は、今後も継続していきます」とも記されていた。
【楽天】オススメアイテム