ピアノ旋律師・ぽんぽん亭遊月さんが社会人落語日本一に 桂文枝の助言胸に自作落語で栄冠

2023年12月10日 15:46

芸能

ピアノ旋律師・ぽんぽん亭遊月さんが社会人落語日本一に 桂文枝の助言胸に自作落語で栄冠
「第15回社会人落語日本一決定戦」で優勝した「ぽんぽん亭遊月」こと棗田真澄さん(左)と大会統括の桂文枝  Photo By スポニチ
 「第15回社会人落語日本一決定戦」の決勝大会が10日、大阪・池田で開催され、東京都文京区から参加したのピアノ旋律師・ぽんぽん亭遊月さん(61=棗田真澄)が「社会人ピアノ日本一決定戦」で優勝。優勝賞金30万円を手にした。女流落語家としては3人目の名人。「悲願でした。最高。ピアノを弾く人が1人でも増えたら」と声を震わせた。
 アマチュア落語家第15代名人に輝いた棗田さんは広島・福山出身で高校卒業後にピアノの調律師に。民話語りを趣味としていたが、「師匠が亡くなったので」と別の趣味を探し、そこで立川志の輔の落語と出会った。「すぐにはまって落語教室に通い出しました」という。それが18年前のこと。すぐに頭角を現し、13年前の第2回大会決勝に進出した。それ以来、毎年のように何度も出場してきたが、頭の中にはいつも大会統括の桂文枝(80)から言われた言葉が耳に残っていた。

 「社会人らしい落語を作りなさい」

 その言葉通り、創作落語に取り組み、練りに練ったネタで挑戦。ここ2年は自身のピアノ調律師の仕事を題材にしてピアノ大会出場者のネタ「社会人ピアノ日本一決定戦」のネタで予選に出ながら、改良に改良を重ねた。ようやく念願の頂点に立った。

 高座では珍しい横向きに座っての喋りはピアノを弾く姿。「お客さんのたくさんの話を散りばめた全部実話。これで少しはピアノの世界に恩返しできたかな」とニンマリだ。文枝も「リズムもテンポもよく、年々、全体のレベルが上がっている。社会人らしい話を加えて、職業を生かして。これこそが社会人落語の神髄。ずっと目指してきたものです」と絶賛した。

 09年にスタートした日本初のアマチュア落語家による全国大会。今年は全国から324人の応募があり、一次審査を通過した24~87歳の148人が9日に池田市内の6会場で行われた予選会に挑み、10人が池田市民文化会館での決勝進出を果たした。

 準優勝は札幌市の団体職員・無茶志亭肉丸さん(57=長崎睦子)、3位は愛知県豊橋市の会社員・六ツ家千艘さん(49=堤晋一郎)、池田市長賞は東京都中野区の証券アナリスト・当利家源内さん(45=平賀大助)に決まった。
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