「ブギウギ」水上恒司 趣里のステージは「世界一」

2023年12月11日 08:16

芸能

「ブギウギ」水上恒司 趣里のステージは「世界一」
連続テレビ小説「ブギウギ」で村山愛助(水上恒司)がスズ子(趣里)と対面する場面(C)NHK Photo By 提供写真
 【牧 元一の孤人焦点】12月11日放送のNHK連続テレビ小説「ブギウギ」第51回に俳優・水上恒司(24)が演じる学生・村山愛助が初登場した。
 NHKによると、愛助は大阪にある日本随一の演芸会社「村山興業」の御曹司という設定。スズ子(趣里)の大ファンとして登場するが、のちにスズ子に大きな影響を与える「運命の相手」という。

 制作統括の福岡利武氏は愛助役に水上を決めた理由について「まっすぐな男・愛助をまっすぐに描きたいと考え、水上くんのまっすぐさがうまくリンクすれば良いと思いました。スズ子にとって、愛助は年下で、最初はファンという特殊な入り方をしますが、水上くんなら良いのではないかと考えました」と説明する。

 水上は「岡田健史」名義で2018年のTBSドラマ「中学聖日記」で俳優デビュー。21年のNHK大河ドラマ「青天を衝け」に主人公・渋沢栄一(吉沢亮)のいとこ・尾高平九郎役で出演した。

 福岡氏は「私は『青天を衝け』で仕事をご一緒しました。水上くんは平九郎役が決まった後、いろんな本を読み、お墓参りに行き、平九郎が歩いたと思われる道を歩いて『彼がどんな思いを抱いていたのか、少しでも感じたかった』と話していました。それを聞いて面白い役作りをする人だと思いました。平九郎が死ぬ場面を撮影した時、撮影が長引いて夜中になりましたが、いろんなスタッフが現場に残って彼の最後を見届けました。水上くんは周りの人たちをそうさせる人柄で、凄い役者だと思いました。いつかまた何かでご一緒したいと思っていました」と振りかえる。

 第51回で愛助はスズ子の楽屋に連れて来られ、スズ子と初対面。大ファンとして熱い思いを抱きながらもスズ子を目の前にして照れまくり、何も言えずに立ち去る。その後、スズ子の宿泊先で再会し、夕飯の席に招かれるが、スズ子を見つめるまなざしが熱い。

 水上はこれが初めての朝ドラ出演。福岡氏は「最初、凄く緊張して汗をたくさんかいていて、役への思いが強く力が入っていました。愛助はずっとスズ子のステージを見て来たという設定なので、事前に水上くんにこれまでのスズ子の歌唱映像を見てもらいましたが、彼も『愛助としてスズ子のステージを見て感動することが大事だと思います』と話していました。愛助が実際にスズ子のステージを見る場面を撮影した時には趣里さんに『めちゃめちゃ良かった。最高ですよ。世界一や!』と話してテンションを上げていました。水上くんが趣里さんの表現力をリスペクトしているので、愛助のセリフに非常に説得力が生まれました」と話す。

 スズ子のモデルとなった歌手・笠置シヅ子さんは戦争中、のちに恋愛相手となる大学生・吉本穎右さんと出会っている。穎右さんはは現在の「吉本興業」を創業した実業家・吉本せいさんの息子だ。スズ子と愛助の関係は史実に基づいていると言える。

 福岡氏は「史実だからスズ子と愛助がそうなるということではなく、年下の愛助がスズ子に惚れ込む理由をしっかり作ろうと考えました。『ブギウギ』のスズ子らしい恋愛をしっかり描くことを意識しました。スズ子と愛助の年齢差は9歳ですが、偶然にも趣里さんと水上くんの年齢差も9歳で、不思議なものを感じます。現場では水上くんがよく趣里さんに話しかけていて、2人のコミュニケーションはよく取れています」と語る。

 スズ子と愛助はこれからどうなっていくのか?作品を見る楽しみが増した。

 ◆牧 元一(まき・もとかず) スポーツニッポン新聞社編集局文化社会部専門委員。テレビやラジオ、音楽、釣りなどを担当。
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