市川團子 猿翁さんの遺志を継ぐ 11年ぶりスーパー歌舞伎「ヤマトタケル」上演

2023年12月19日 05:09

芸能

市川團子 猿翁さんの遺志を継ぐ 11年ぶりスーパー歌舞伎「ヤマトタケル」上演
ポーズを決める(左から)市川團子、中村隼人、中村米吉 (撮影・白鳥 佳樹) Photo By スポニチ
 歌舞伎俳優の市川團子(19)が18日、都内で、スーパー歌舞伎「ヤマトタケル」(東京・新橋演舞場、来年2月4日~3月20日)の取材会に出席した。中村隼人(30)とともにダブルキャストで主演を務める。
 團子の祖父で今年9月に亡くなった市川猿翁さん(享年83)が主演・脚本・演出を手がけ、1986年に初めて上演された作品。現在まで続くスーパー歌舞伎の1作目で、今回が約11年ぶりの再演となる。当初はスーパー歌舞伎2「鬼滅の刃」を予定していたが、演出や出演の中心を担っていた市川猿之助(48)が両親に対する自殺ほう助の罪に問われたことを受けて上演中止となった。

 一時は存続も危ぶまれたスーパー歌舞伎。今回が猿之助の事件後、初の上演となる。思わぬ巡り合わせで大役に挑む團子は「この演目は祖父の人生そのもの。どこのせりふを切り取っても祖父が思い浮かびます」と思いをはせ「祖父はどんな時でも頑張れと言うので、自分もただ頑張るだけです」と気を引き締めた。自身が12年に初舞台を踏んだのも同演目で「当時から祖父のビデオを見ていました。まさか自分がこの役をできるなんて今でも実感が湧かない」と感慨深げ。「私が歌舞伎を好きになった理由は祖父でした。“じいじ”に…あ、すみません。祖父に似せるように作品に挑めたら」と猿翁さんの遺志を継いで役に挑む覚悟をのぞかせた。

 今年は、猿之助の事件を受け、当時明治座で上演中だった舞台の主演をわずか1日の稽古で務めるなど、大きく成長した年でもあった。「自分にとっては貴重な経験させていただけた一年だった」と前向きに捉えた。

 日本神話のヤマトタケル伝説を基にした物語。今回は初演時の演出を忠実に再現し、若手を中心に起用する。隼人は「近年は自分も挑戦することの多い新作歌舞伎がたくさん生まれている。その礎となったスーパー歌舞伎の精神を自分も継いでいくことができたら」と力を込めた。会見には中村米吉(30)も出席した。
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