完全実話だったブギウギ神回「大空の弟」全編歌唱シーン あの曲は服部良一の笠置シヅ子への手紙だった
2023年12月22日 14:00
芸能
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実はこの「大空の弟」、服部良一が笠置シヅ子に送った実在の曲だった。服部家のにある膨大な資料の中から数年前に楽譜が“発掘”され、それを元に脚本化された。
隆之氏は「資料には祖父の直筆で、詞も書いています。笠置さんと弟との手紙のやりとりも詞に書かれていました」と、スタジオに持参した実物を手に取りながら説明。また、ドラマでは表現されていなかったが、後半部分では「自分は弟の死を乗り越えて頑張らないといけない」と、笠置の将来への誓いも歌詞として記されているという。
そういう楽曲があったということも世間には知られておらず、もちろん音源さえも残っていなかった。数年前に笠置さんの一生を舞台化する話が持ち上がった際、その演出家が戦死した弟について歌っていた笠置さんの記録を発見し、服部家を取材。それが契機となって楽譜が見つかったという。
ただ、楽譜にはリズムなどの表記もなく、音符と歌詞が書かれているだけ。また「メロディーもパターンがないんです。東京ブギウギとかはわかりやすくて、誰でも歌えるけれども、これは一般の人が聞いて、歌うことができるというものではない」という。
では、服部良一はどういう目的でこれを書いたのか。隆之氏は「これは祖父から笠置さんに渡された手紙だったと私は思っています。笠置さんが弟の死と向き合うためだけに渡した歌で、弟の死が腑に落ちたとき、笠置さんが前に進むことができるように願いを込めた歌なのではないでしょうか」と想像した。
ドラマで使われたイントロのメロディーは「祖父が書いたまんまです」と話す隆之氏。「いったいどういう思いで書いたのか。叶わないですけど祖父に聞くことができたら、と思いますね」と少し目を潤ませた。