王将戦直前、菅井竜也八段に聞く 得意戦法前面に対決へ「振り飛車は評価値を超えられる」

2024年01月01日 05:21

芸能

王将戦直前、菅井竜也八段に聞く 得意戦法前面に対決へ「振り飛車は評価値を超えられる」
お気に入りの駒の飛車とダンベルを手にポーズを決める菅井竜也八段(撮影・会津 智海) Photo By スポニチ
 藤井王将に挑むのは菅井竜也八段(31)。初参加の挑戦者決定リーグを5勝1敗の好成績で制し、7番勝負初挑戦を決めた。藤井対策は「将棋をしていない時も考えている」という硬派棋士。大一番に臨む心境を聞いた。
 王将戦7番勝負初登場の菅井は藤井との対決をこう表現した。「若くて強い人と対局できるのはプロとして最高の楽しみ。それがいやだと思うなら、今すぐ棋士をやめた方がいいです」。10歳年下の最強棋士に挑む心境は限りなく前向きだ。

 言わずと知れた振り飛車党だが、プロでこの戦法を専門とするのは2割強しかいない。時代が進むにつれ、居飛車への優位性が失われつつあるからだ。

 対局では飛車を振った瞬間に中継局のAI評価値が数ポイント減る。だが彼の振り飛車は毛並みが少々違う。9年前には中飛車左穴熊など数々の戦法で新たな工夫を見せ、升田幸三賞に輝いた。現在でも中盤の進行に独自の味付けを加え、同業者とは一線を画す。だからこそ「振り飛車は評価値を超えられるんです」と言い切れる。

 昨春の叡王戦5番勝負では藤井叡王に三間飛車を連投。1勝3敗で敗れたが、内容的には紙一重だった。「持ち時間は叡王戦(各4時間)より王将戦が長い(各8時間)。2日制の方が安心して指せますね」と王将戦への意欲を語った。

 ここ2年ほどはウエートトレに熱中し、胸囲は「100センチある」という。鋼鉄のような体と意志。格闘技にも似た藤井との番勝負はもうすぐ始まる。
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