王将戦直前、藤井聡太王将に聞く 2023年は「いろいろな方から強さを学べた一年でした」

2024年01月01日 05:22

芸能

王将戦直前、藤井聡太王将に聞く 2023年は「いろいろな方から強さを学べた一年でした」
対談中に笑顔を見せる藤井王将
 将棋の第73期ALSOK杯王将戦7番勝負(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)第1局が7日に開幕を迎える。昨年、前人未到の8冠を達成した藤井聡太王将(21)に2023年の振り返り、そして決戦直前の心境を聞いた。
 ――23年で印象に残った一局と一手は?
 「一局は竜王戦の第3局。序盤から前例の少ない展開になり、その中で積極的な手を選び続けて勝ちに結びつけることができました。一手は棋聖戦第3局中盤で8六王と寄った手。先が見えない状況の中で自分から崩れない一手を選べたのは印象に残ってます」

 ――昨年のタイトル戦はさまざまな年代の棋士と対局。収穫は?
 「いろいろな方から強さを学べた一年でした。羽生九段からは柔軟な大局観、考え方を感じ、永瀬王座、伊藤七段との対戦では序盤の認識の深さだったり、読みの鋭さだったり、非常に勉強になることが多かったです」

 ――成長したことは?
 「盤上では全体として苦しい局面になっても粘り強く指すことができました。盤外では体重がちょっと増えた。それは成長ではないので少しずつ戻していきたい。タイトル戦で各地を巡っておいしいものをいただく機会が多い。そこで調整ができなかった(笑い)。一つ挙げるなら小樽でいただいたイカめしはおいしかったですね」

 ――今年は辰年。十二支で好きな動物は?
 「十二支がちょっとすみません、思い出せない(笑い)。毎年、今年は何年と聞いて、なるほどと思うんですけど(汗)。出てこないので辰年が好きということにします」

 ――23年の自己採点は?
 「タイトル戦ではこれ以上ない結果が出せた。高い点数を付けたいが一方で王座戦、叡王戦は苦戦した。全体で80点」

 ――昨年得た賞金で買ったものは?
 「買ったものはほとんどなくて…唯一、スマホを買い替えました。4年くらい同じものを使っていたので良いタイミングだったと思ってます」


 ≪藤井王将 防衛ならタイトル戦新記録20連勝≫ 藤井は2020年7月に棋聖位を獲得以来、昨年の竜王戦まで出場タイトル戦19連勝中。大山康晴15世名人がマークした1963~66年のタイトル戦最長連勝記録に並んだ。王将戦で防衛すれば新記録の20連勝の可能性があるが、進行次第では2月開幕の棋王戦5番勝負(対伊藤匠七段)で実現する場合もある。ちなみに大山の記録は当時あった全てのタイトル戦に出場した結果だった。

 ▽王将戦 1950年(昭25)に一般棋戦として誕生。翌51年からタイトル戦となる。初代王将は木村義雄名人。通算獲得数1位は大山康晴15世名人の20期で、羽生善治九段が12期で続く。現行の7番勝負対局規定は持ち時間各8時間(ストップウオッチ計測)の2日制。2日間とも午前9時に開始し、第1日は午後6時時点で手番側が封じ手を行い、指し掛ける。第1局は振り駒で先後を決め以降第6局まで交互に指す。第7局に持ち込まれた際には改めて振り駒を行う。先に4勝した棋士が王将位に就く。
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