【王将戦】千日手を含んだ藤井王将の構想に注目 相手けん制しつつ△3一銀右の自陣仕上げた

2024年01月08日 05:28

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【王将戦】千日手を含んだ藤井王将の構想に注目 相手けん制しつつ△3一銀右の自陣仕上げた
王将戦・第1日目・A図 Photo By スポニチ
 【第73期ALSOK杯王将戦第1局第1日 ( 2024年1月7日    栃木県大田原市・ホテル花月 )】 【関口武史・第1日のポイント】振り飛車の雄、菅井八段を挑戦者に迎え開幕した第73期王将戦。開幕局は菅井の先手で始まり、▲7八飛と早々に飛車を振り、対抗型が確定した。昨春に両者が対戦した叡王戦をベースに駒組みが進み、菅井が▲1八香と上がると藤井王将も呼応するように△1二香と上がり、戦型は相穴熊へ。開幕局から重厚な展開となった。
 穏やかな進行で駒組みが完成間近の中、藤井が△2四角▲4八飛△8四飛と動き、菅井陣を揺さぶる。角上がりで先手飛車の可動域を制限し、続いて飛車を中段に構え菅井の左銀も制約をかけた。そして△3一銀右(A図)の堅陣を仕上げ、開戦を待つ。大駒を大きく使い、先手陣をけん制し自陣を整えた藤井の構想が印象深い。加えて藤井の構想は伏線として千日手を含みにしているのが見逃せない。

 対する菅井は▲4九飛と間合いを取り、再度の▲5六銀のタイミングを計り戦機を模索する。先手は主導権を求め駒組みを進めたいが、水面下に潜む千日手の変化が難しい。相穴熊特有のスローペースで互いに慎重に考慮を重ね、菅井が封じ1日目が終わった。2日目は先手の左銀(6七の銀)、後手の右桂(8一の桂)、どちらの駒が活躍するかに注目したい。(本紙観戦記者)
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