365日 あの頃ヒット曲ランキング 6月
【1990年6月】おどるポンポコリン/B.B.クイーンズ テレビに出れなかったワケ
2011年06月19日 06:00
芸能
2 さよなら人類/たま
3 浪漫飛行/米米CLUB
4 サマータイムブルース/渡辺美里
5 BE THERE/B’z
6 臭いものにはフタをしろ!!/森高千里
7 PURE GOLD/矢沢永吉
8 千流の雫/工藤静香
9 あー夏休み/TUBE
10 OH YEAH!/プリンセス・プリンセス
注目太陽のKomachi Angel/B’z
※ランキングは当時のレコード売り上げ、有線放送、ラジオ、テレビのベストテン番組などの順位を参考に、話題性を加味してスポニチアネックスが独自に決定。
【おどるポンポコリン/B.B.クイーンズ】
昭和から平成へ、時代が代わると音楽を楽しむ手段はレコード盤からCDに完全に移った。CDプレーヤーの普及とともに、落ち込んでいたシングルの売り上げも急上昇。老若男女に親しまれた、平成最初の国民的メガヒットといえるのが、この「おどるポンポコリン」だった。
言うまでもなくフジテレビ系アニメ「ちびまる子ちゃん」のエンディングテーマ。90年1月の番組スタート後、にぎやかな楽曲が話題となったことから3カ月後にシングルを発売。「ピーヒャラ ピーヒャラ」の繰り返しと、大人の女性が裏声を使っているかのような歌唱法が頭に残り、8人組の「B.B.クイーンズ」なるユニットの存在がクローズアップされた。
「ブルースの王様」と呼ばれた、B・Bキングに“対抗”したネーミングだったが、ボーカルの坪倉唯子、ボーカル&ギターの近藤房之助をはじめ、メンバーはそれぞれブルースやロック、フュージョンなど専門分野を持ち、個々で活動していたミュージシャン。同じレーベルに所属していたことで、長戸大幸プロデューサーが「遊び心で結成した」グループだった。
発売から4カ月。売り上げが100万枚を突破しても、公の場で歌うことがなかったB.B.クイーンズだが、大きな理由があった。レコーディングされた声は、早巻きで録音され、わざと幼く聞こえるようにしていた。そのため、中島みゆきやアン・ルイスのバックコーラスなどをしていた坪倉がナマで歌った場合、そのギャップに子供たちが失望してしまうのではないか、という懸念があった。
坪倉が吹き込んだのとほぼ同じ声を出して歌えるようになり、初めてテレビで「おどる…」を披露したのは90年8月29日のフジ「夜のヒットスタジオ」だった。
過去アニメ関連の最大のヒット曲は83年に杏里が歌った「キャツ・アイ」の82万枚だったが、その倍となる164万枚をセールス。この年の日本レコード大賞(ポップス・ロック部門)を受賞するなど、各賞を総ナメ。各ランキングでは軒並み年間1位を獲得、他局の大ヒットナンバーながらNHK「紅白歌合戦」にも初出場。翌年はコーラスを務めていた3人娘が「Mi―Ke」としてヒットを飛ばすなど、遊び心で始まったことが思わぬ方向へと進んでいった。
92年に活動休止。2011年に19年ぶりに坪倉、近藤ら4人で限定再結成。5月に「おどるポンポコリン~ちびまる子ちゃん 誕生 25th Version~」が発売された。