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【1981年9月】まちぶせ/石川ひとみ 有線放送関係者のひと言からリバイバルヒット

2011年09月10日 06:00

芸能

【1981年9月】まちぶせ/石川ひとみ 有線放送関係者のひと言からリバイバルヒット
40万枚のヒットとなった「まちぶせ」 Photo By スポニチ
 ★81年9月ランキング★
1 ハイスクールララバイ/イモ欽トリオ
2 守ってあげたい/松任谷由実
3 悲しみ2ヤング/田原俊彦
4 まちぶせ/石川ひとみ
5 もしもピアノが弾けたなら/西田敏行
6 白いパラソル/松田聖子
7 みちのくひとり旅/山本譲二
8 少女人形/伊藤つかさ
9 メモリーグラス/堀江淳
10 キッスは目にして!/ザ・ヴィーナス
注目ロンリーハート/クリエーション
※ランキングは当時のレコード売り上げ、有線放送、ラジオ、テレビのベストテン番組などの順位を参考に、話題性を加味してスポニチアネックスが独自に決定。

【まちぶせ/石川ひとみ】

 シングル盤節目の10枚目で、初めて「これだ!」という曲にめぐり合った。

 デビュー4年目の石川ひとみがピンときた曲は、ユーミンこと松任谷由実の作詞作曲の「まちぶせ」。76年にアイドル歌手だった三木聖子が歌いスマッシュヒットとなったもので、石川のオリジナル曲とは言えなかった。それでも「まちぶせ」には特別な思い入れがあった。

 愛知県の高校1年生だった石川はラジオから流れてくる「まちぶせ」を聴いた。「いい歌だな」と思い、レコードを購入した。それから5年。5曲ある新曲候補として思い出のメロディーの楽譜が目の前にあった。「曲もいいし、詞の内容が私たちの中学、高校時代の青春にぴったり。私にもこういう経験がある」。新曲として選ぶことにためらいはなかった。

 5年前のヒット曲が新曲候補に挙がったのはわけがあった。きっかけは有線放送のある課長の何気ない言葉だった。石川の所属する事務所で雑談していた際に「いまだに三木聖子が歌った『まちぶせ』のリクエストがあるんだよ。いい曲だから、ひとみちゃんなんかが歌ったらもう一度売れるんじゃないかな」。

 アイドルとしてはグラビアなどに引っ張りだこで、NHKの人形劇「プリンプリン物語」では声優として人気を博していたが、本業の歌はというとデビュー2作目の「くるみ割り人形」が6万枚程度売れただけ。どうしてもヒット曲が欲しかった。

 何気ないひと言と歌い手が気に入っていた曲という偶然が重なり、再度世に出た作品は、レコード売り上げ40万枚を記録。前回発売の2倍以上の大ヒットとなり、念願だったTBS「ザ・ベストテン」にも出演し、最高3位を記録。今までは「テレビで観るもの」だった、紅白歌合戦にも初出場を果たした。

 その後、歌だけでなく、芝居などにも挑戦した石川を病魔が襲ったのは、まちぶせのヒットから6年後の28歳の時。B型肝炎だった。苦しい闘病生活を乗り切り復帰。93年には結婚したが、相手は「まちぶせ」のアレンジにも参加した作曲家の山田直毅氏だった。

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