【スプリングS】エトル 4F55秒8も9年前の“再現”へ活気
2017年03月16日 05:30
競馬
エトルディーニュは一度も掲示板を外していない堅実ぶり。好位からしぶとく伸びる走りは、デビュー6戦全て3着以内に粘走してスプリングSに挑んだスマイルジャックを思い起こさせる。両馬をつなぐキーワードは国内随一の生産、育成技術を誇るノーザンファーム(北海道安平町)だった。「日高で生まれて、1歳後半から育成をお願いしたんだ。牧場の奥に厩舎があって毎日2時間近く歩いた」。ウオーキング(常歩=なみあし)は馬の基礎体力を養うという。並の育成馬の倍以上、常歩を重ねた経験がタフな競走生活を支える。
「祖母のプリンセストウジンはうちの厩舎の開業第1号で、厩舎の特別初勝ち。この血統は廃用のピンチもあったが絶やしたくない」。思い入れの凝縮した血統で挑むスマイルジャック以来の重賞V。執筆活動も続ける同師は自著「馬を巡る旅」でスマイルとの出合いを釣りに例えている。「四万十川(高知)でのんびり釣りをしていたら大物のアカメが釣れた」。9年前の大物釣果が再現するか。