【エプソムC】アストラエンブレム初重賞へ“坂路2本トレ”効果
2017年06月08日 05:30
競馬
「ミルコ(デムーロ)が前走(メイS2着)でブレーキをかけたと言っていたので」。左メイスンウォー(7歳1600万)、右ヌーナ(5歳1000万)で挟み込み、実戦に近い緊張感を与えた。馬の行く気任せでも、気を抜くことなくピッチを上げる。ゴール前でムチが入る僚馬。エンブレムは、馬なりでさっそうと駆け抜けた。4F51秒9〜1F13秒0でメイスンから1馬身先着。師は「感触としてはいい追い切り。(馬が)気持ちいいのを持続させながら終えられた」と納得の表情だ。
一般的に、Wコースよりかかる負荷が軽いとされる坂路調教。今回は馬の成長を促していた3歳時の調整法に戻した形だが、内容は当時より濃い。「(一日に)坂路2本をずっとやりたかった。馬がしっかりしてきたので、この中間から実践できている。担当者も2本が身になっている気がすると言っていた」。前日に坂路2本を消化していたので、この日は1本だけ。それでも初の中2週ローテで取った攻めの姿勢は、充実ぶりを物語るには十分だ。
週末にかけて傘マークが並ぶ東京。師は同厩舎で管理した秋華賞馬の母(ブラックエンブレム)を思い起こし「あまり道悪が得意な血統ではない。それでもそういう運もモノにしないとね」とハッパをかける。過去3戦の重賞はオール4着。歯がゆい戦歴だが「正直、G1という感じはまだない。だが、ここは今の状態で勝ちたいレース」と指揮官。エリートが殻を破りつつある手応え。勝ち切れないイメージは、乗り込んだ坂路に置いてきた。