“幸運な第二の馬生”ノボジャック&ノボトゥルー
2017年08月09日 13:51
競馬
2頭はともに米国産馬なので“故郷”がない。それゆえ、産業動物としての役目を終えると、行き先が見つかりづらい。「アメリカから連れて来られたはいいけど、引退したら誰が面倒を見てくれるのか…」。JRAの重賞か地方交流重賞を勝ち、諸々の要件を満たした10歳以上の馬には、ジャパン・スタッドブック・インターナショナルから月2万円の助成金が出る。しかし、それは1頭が暮らすには十分な額ではない。運良く安住の地が見つかったトゥルーは幸運だった。ただ、外国産馬に限らず、厳しい末路を迎える名馬がいることから目を背けてはいけない。
クラウンホースメイトは現1歳の1頭を最後に生産牧場としてピリオドを打った。「自分も引退の時期が近付いているし、かわいそうな馬をつくりたくはないんです。この世界で40何年やってきたけど、決してきれいな世界じゃない。馬に恨まれることはしたくないんです」と箕輪さん。この言葉を綺麗事と聞き流すのは簡単だが、馬に携わるものとして、心に強く留めておくべきではないか。心地良い海風に吹かれながら、1頭でも多くが“第二の馬生”を幸せに過ごしてほしいという思いを強くした。