【有馬記念】サブちゃん万感 3度目の正直 涙…放心状態
2017年12月25日 05:30
競馬
2度阻まれた有馬の頂点を、最後の挑戦でついに手中に。悲願かなった口取りでは、激戦を終えた愛馬の鼻先を4度ほど撫でてねぎらった。「サブちゃんおめでとう!」の歓声に両手を掲げて「ありがとう!」と精いっぱい声を張り上げた。
その後の引退セレモニーでは「これ以上話すと泣きたくなっちゃいます」と感動を抑えきれない様子。「ブラックありがとう!それしかありません」と話すと、この日のために作った曲「ありがとうキタサンブラック」を場内に流し、満員のファンにお披露目した。
♪俺の大事な宝物 さらばブラック ありがとう――。馬主歴50年目となるが「自分の歌で馬を送るとは。歌手でよかった」と感慨を口にした。
続けて「このまま引っ込んでいっちゃあ、申し訳ない…」と口にすると、スタンドからこの日一番のボリュームで“まつりコール”が。北島の「みんな合体して歌いましょう!」の呼び掛けに呼応し♪まぁーーつりだ、まつりだ、まつりだ キタサン祭り 俺もドンとまた頑張るぜ これが有馬の まつりだよ――と歌声が響いた。昨年も歌ったが結果は2着。待ちに待った凱歌となった。
レース前から「無事に帰ってきてくれれば何着でもいい」と公言していたが「できれば1着がいいな」と淡い期待を語っていた。関係者によると「レースが近づくにつれ、日に日に無口になっていった」。競馬場での昼食は、長年愛用している東京・新宿の「とんかつ にいむら」が特別に作って差し入れた、黒豚のカツが主菜の「ブラック勝つ弁当」に舌鼓を打った。金粉がまぶされ、カツの断面には「勝」の焼き印。願いは届いた。「クリスマスイブに、最高のプレゼントになりました!」と喜んだ。
今後は種牡馬に転身する愛馬に「別れはとてもつらいんですが、終わりと同時に始まりの日」とエール。「何年か後には、ブラックの子供たちが元気にターフを走っている姿を見ていたい」。サブちゃんとブラックの物語は、第2章に入ったばかりだ。