【函館記念】藤岡佑 アンセム重賞初V導いた!夏好調11勝目
2018年07月16日 05:30
競馬
「うれしいです。エプソムC(5着)はオーナーにお叱りを受けて…。今日は褒めていただけると思う」。藤岡佑は爽やかな笑顔で切りだした。3コーナーで下げざるを得なかった前走とは一転し、完全燃焼。「他馬は考えずに自分のポジションで運べた。いい枠(6番)をもらったし、スタートも決まったので前へ。3〜4コーナーの手応えも抜群。あとは自分がどうさばくかだけだった。最後は詰め寄られたが、手応えはあった」と騎乗3戦目の好結果を喜んだ。
管理する吉村師にとっても最高の美酒だ。2歳時は新馬→ホープフルS連勝。G1候補の呼び声も高かった。3歳秋に馬を譲り受け、転厩21戦目での重賞タイトル。5歳秋から6歳秋にかけては、軽度の屈腱炎で約1年間の長期休養もあった。指揮官は「ジョッキーが最高に乗ってくれた。前めのいい位置で運んでくれた。佑介は函館を熟知しているから。元々、肉体的なポテンシャルは高い馬なので」と人馬を称えた。
充実の32歳。鞍上の好リズムも際立っている。5月NHKマイルC(ケイアイノーテック)で悲願のG1初制覇を飾ると、6月24日には函館でJRA通算700勝達成。函館記念は08年トーセンキャプテン以来、10年ぶりの制覇。藤岡佑は「いい夏を過ごせている。秋につなげたい。それに何とか(函館)リーディングにも、食らい付いているので…。もう1週頑張りたい」と目を輝かせた。首位のルメール(14勝)とは3勝差の11勝。22日閉幕の函館リーディングも見据えている。
一方、相棒のアンセムはひと足早く夏休みに入る予定。吉村師は「結構レース数を使ってきたし、脚元のこともある馬なので。札幌記念は見送り、秋に備えたい」と指針を明かし、「休んだ期間がある分、馬の気持ちは7歳でもまだ若い。まだやれる」と実りの秋を見据えた。好調男から贈られた“函館土産”を手に、さらなる進撃を狙っている。
◆エアアンセム 父シンボリクリスエス 母エアマグダラ(母の父サンデーサイレンス)牡7歳 栗東・吉村厩舎所属 馬主・ラッキーフィールド 生産者・北海道千歳市社台ファーム 戦績27戦5勝 総獲得賞金1億6991万8000円。
◇藤岡 佑介(ふじおか・ゆうすけ)1986年(昭61)3月17日生まれ、滋賀県出身の32歳。栗東所属のフリー。04年3月13日の中京(アスカクイーン)で初勝利。JRA通算8663戦708勝(重賞30勝)。父・健一はJRA調教師、弟・藤岡康太は同騎手。1メートル65、52キロ。血液型B。