【阪神大賞典】過去7戦4勝“長距離の岩田”波乱演出期待

2021年03月19日 05:30

競馬

【阪神大賞典】過去7戦4勝“長距離の岩田”波乱演出期待
デルタブルースで06年メルボルンCを勝利した岩田康(撮影・平松 さとし) Photo By 提供写真
 【競馬人生劇場・平松さとし】先週、中山競馬場で行われたアクアマリンS。勝ったのは単勝29.5倍のダークホース・センショウユウトだった。
 手前みそであるが、本紙の予想コラム「平松さとし直球勝負」で私はこの馬の単勝を推奨させていただいた。見事に期待に応えてくれたその鞍上には岩田康誠騎手。「考えていた通りの競馬ができました。完璧でした」と頬をほころばせた。

 彼がやった大仕事で思い出されるのは2006年のメルボルンC(豪G1)制覇。この2月で勇退した角居勝彦調教師が管理していたデルタブルースを栄冠に導いた騎乗で、私も現地で取材させていただいた。その際、大金星を挙げた岩田騎手は喜ぶ半面「決して完璧な騎乗ではなかった」と小首をかしげるシーンもあった。

 この日、レース前には競馬場の馬場責任者とともにコースを歩いた。「最後の直線は長いけど、芝が深いから極端な追い込みは利かなさそう」と見解を述べると、今度はスターターを呼んでもらい、ゲートのタイミングを聞くなど、万全を期した。

 それでもレースへ行くと「早めに動いちゃった」と言い、次のように続けた。

 「前で競馬をするつもりだったから思い切って早めにゴーサインを出したけど、直線に向いたらスタンドがまだまだ遠くにあったので正直“ヤバッ!!”って思いました」

 それでも粘りに粘ると、追い上げてきた同僚ポップロックを鼻差抑えて優勝。

 「結果、鼻差だったけど、ゴールの瞬間“なんとか勝てたかな…”とは思いました」

 “長距離は騎手の腕”と言われるが、南半球最大のレースであり3200メートルの長丁場で岩田騎手は一発回答。豪州中にその名を轟(とどろ)かせてみせた。

 今週末、阪神競馬場では阪神大賞典が行われる。3000メートルのこのG2を、岩田騎手は最近7年間で実に4勝もしている。今年、コンビを組むのはタイセイトレイル。それほど人気はなさそうだが、先週のセンショウユウトのような好騎乗があるか。注目したい。(フリーライター)

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