クロノジェネシスの被毛を変えたのが進化だとすれば、カレンブーケドールの毛ヅヤを一変させたのは季節です。春の天皇賞時に残っていた冬毛が奇麗に抜け、くすんでいた茶褐色の被毛がまぶしく輝いている。わずか1カ月半で冬のセーターから夏のTシャツに着替えたような変わり身。「夏は牝馬」といいます。抜群の毛ヅヤは気温の上昇につれて新陳代謝が活性化された証です。
体つきにも少々驚かされました。天皇賞・春の3200メートル戦を走り切った牝馬には反動がつきもの。ところが、カレンブーケドールには疲労のかけらさえ見つかりません。ふっくら丸みを帯びたというより太めに映るぐらい余裕がある。アゴっぱりを見れば、食欲旺盛だと分かります。食いが太いから回復も早いのでしょう。
少し詰まり気味の中距離体形。天皇賞・春の緩いペースに少し掛かったように前向きな気性の持ち主でもある。距離短縮はプラス。銀色のジェネシスにも対抗できる茶褐色の夏女です。