【スプリンターズS】石坂師がG1初挑戦、ラヴィングアンサーで父子大金星狙う
2021年10月01日 05:30
競馬
21年前の10月1日。この年のスプリンターズSは歴史的波乱となった。アグネスワールド、ブラックホークなどG1馬7頭を抑え、16頭立て最低人気で単勝257・5倍のダイタクヤマトがV。重賞未勝利の6歳馬がわずかなチャンスをものにし、スプリント王者へと上り詰めた。父の調教師生活において、当レースは大きなターニングポイントとなった。その父から受け継いだ馬で大舞台へ。当然、懸ける思いは強い。
その気合が空回りしないよう、陰で息子を支えるのが厩舎スタッフの存在だ。ラヴィングアンサーを担当する岩佐典幸助手(44)は石坂師よりも6歳年上。岩佐助手は「普段、あまり口には出さないけど(石坂)先生もいろんな思いを背負っているはず。その気持ちに応えるため、少しでもいい状態に仕上げるのが僕の仕事です」と胸を張る。
秋初戦の前走・セントウルSは出遅れながら、勝ち馬レシステンシアから0秒6差の8着。負けはしたものの次につながる内容だった。「前哨戦は本番を見据えた仕上げ。あのメンバーで最後は前に迫るなど能力の高さを再確認できました。かなり状態は良くなっているし、前崩れならチャンスが出てくる」と岩佐助手。ダイタクヤマトはセントウルS7着から本番で勝利をつかみ取った。競馬に絶対はない。調教師、厩舎スタッフが一丸となり、大金星を狙っていく。
▽00年VTR 3歳ユーワファルコンが積極的に逃げ、前半3Fは33秒0のハイペースで流れた。外枠15番から好スタートを切った江田照騎乗ダイタクヤマトは2番手に控えたが、抑えきれない手応えで3角すぎから先頭に並びかける。その勢いのまま直線で抜け出す。ゴール前は人気のアグネスワールド&ブラックホークが迫るが危なげなく完封。単勝257・5倍での大逃走劇だった。